近畿日本鉄道は11日、「新型名阪特急」の新造について発表した。2020年春の運行開始を予定しており、6両編成を8編成、8両編成を3編成の計72両を製造。大阪難波~近鉄名古屋間で運行される名阪特急へ順次投入する。
沿線の2大都市を結ぶ名阪特急の次世代車両は、先進的でスピード感あふれる形状とし、外観カラーには透明感のある深い赤を採用。「くつろぎのアップグレード」をテーマに、日本初という全席バックシェルを備え、座席の前後幅を広く確保するなど、車内の居住性を大幅にグレードアップさせた車両となる。
6両編成・8両編成ともに先頭車は全席3列シートのハイグレード車両で、座席には本革を使用し、前後幅は130cmで「アーバンライナー」より25cm広く確保したという。電動リクライニング、電動レッグレスト、高さ・角度調整機能付きヘッドレストも導入。大きなガラスで見晴らしの良いハイデッカー構造とし、前面の大きなガラスで左右に広がる印象の前方展望を実現する。横揺れを低減する電動式フルアクティブサスペンションも設置する。
中間車は4列シートのレギュラー車両で、座席前後幅は116cm。車内はガラス製の荷棚と仕切扉を用いた開放感のある空間としている。
全席にコンセントを設け、空気清浄機も全車に設置。無料インターネット接続サービス(無料Wi-Fi)の提供、多言語対応(日本語、英語、中国語、韓国語)の車内表示器、大型荷物を収容できる荷物置場などインバウンド対応を強化するほか、座席以外でくつろげるユーティリティスペースも設置する。衝突事故時の安全に配慮した車体設計とし、紫外線・赤外線をカットする大型窓を採用。デッキや大型荷物置場に防犯カメラを設置する。
「新型名阪特急」の定員は6両編成が239人(ハイグレード車両の1・6号車は各21人、レギュラー車両の2・3・5号車は各52人、多目的トイレ・車いす席などを備えた4号車は41人)、8両編成が327人。投資額は約184億円とされている。「名阪間のビジネス、観光、お出かけなど多様な用途のお客さまに快適な移動空間をご提供いたします」とのこと。