今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーはボルボのSUV「XC60」が受賞した。輸入車がイヤーカーに選ばれるのは2013年のフォルクスワーゲン「ゴルフ」以来、2度目。当然ながらボルボにとっては初の受賞だ。この結果の受け止めについて4人の選考委員に話を聞いた。

  • ボルボ「XC60」の画像1

    「2017 - 2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したボルボの「XC60」。トロフィーを持っているのはボルボ・カー・ジャパンの木村隆之社長だ

選択と集中で示す新しいボルボ車の姿

「XC60」はボルボがプレミアム・ミッドサイズSUVと位置づけるクルマで、受賞したのは2代目となるモデル。日本では2017年10月に発売となった。

ボルボは創業当初から安全性を全てに優先させてきたメーカーだが、そのDNAは残しつつも、イメージを変えてきているのが最近のボルボ車だ。四角くて頑丈なイメージは少し前の話。フォード傘下入りから中国資本へという最近の動きの中で、ボルボが進めたのが「選択と集中」であり、デザインも以前とは変わってきている。

  • ボルボ「XC60」の画像2

    ボルボ車はイメージを変えつつある

では、ボルボが進めた「選択と集中」とは何か。それは例えば、車種をセダンの「S」、ワゴン/クロスカントリーの「V」、SUVの「XC」の3つに絞り、それぞれに小さいほうから「40」「60」「90」とサイズ別のモデルを設定しているシンプルなラインアップであったり、クルマが違ってもエンジンを2.0L直列4気筒までしか作らないと決めている姿勢などから見てとれる。「スカンジナビアン・デザイン」をうたう新しいデザインは画像の通りだが、以前のボルボに比べれば丸みを帯びてきているのが一見して分かる。

それでは、ボルボ「XC60」が日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞できた要因はどの辺りにあるのだろうか。授賞式で聞いた選考委員の方々の話をもとに考えてみたい。