10月中旬、バーガーキングの日本における運営権を香港の投資会社が取得した。世界第2位の店舗数を誇りながら、日本では苦戦を強いられてきたバーガーキングだが、夢の再建は可能なのだろうか。

運営主体の変更でバーガーキングの存在感は高まるか

バーガーキングはマクドナルドに次ぐ規模を誇る世界的なファストフードハンバーガーチェーンだ。しかしながら、日本においてはバーガーキングが98店舗であるのに対し、マクドナルドは約2,900店舗と大きく水をあけられている。フレッシュネスや、ウェンディーズとのコラボ店を含めたファーストキッチンなどと比べてもバーガーキングは少なく、規模だけで見れば投資会社が乗り出すほど魅力がある案件とは思えないのが現状だ。

「直火焼き」が魅力、世界的な知名度も強み

では、数値だけでは知り得ないバーガーキングの魅力とは何だろうか。その最大のものは「直火焼き」だろう。余計な脂分を落として肉本来の味わい、食感を残すパティの焼き方である。

また、ハンバーガーの包み方も独特で、すべての素材をバンズで挟んだ後で、ペーパーでぎゅっと押さえている。ちょうど、日本のおにぎりや寿司のように素材の一体感を強め、味わいを増加させる効果を発揮する手法だ。機械でシャリを製造してネタを乗せただけの寿司と、職人の握り寿司を想像してもらえば、バーガーキングのハンバーガーが持つ特色が分かりやすいだろう。

フレンチフライ(ポテト)のサイズや味付けも、バーガーキングは他社と異なる独自のテイストを持つ。まず、見た目からも太さが違うことがわかる。加えて、塩分が少なめの仕上がりだ。ジャガイモ本来のほくほくした感じが残っている。塩分を気にする向きにはオススメできるフレンチフライだ。

訪日外国人に対しては、これはマクドナルドも同じだが、世界的な知名度が強みとなる。自分の国に存在する店と同じ名前なので、価格や品質が想像しやすく、入りやすい。実際、ある週末にバーガーキング秋葉原昭和通り店を訪れてみると、昼過ぎの時間帯であったが海外からと推測される利用者が全体の2割ほどを占めていた。

ある週末の昼過ぎに秋葉原昭和通り店(画像)を訪れてみると、多くの外国人利用客が目についた

バーガーキングの弱点は「値引き」の多さ?

それでは逆に、バーガーキングの弱点はどこかというと、その1つは販売戦略なのではと分析している。バーガーキング・ジャパンのホームページによると、キャンペーンと銘打った商品の値下げが、2017年だけで50回近く実施されている。特に「無料」や「半額」といった文字が多く見受けられる。

こういった戦略は、もちろん集客に一定の効果は見込めるだろうが、見方を変えれば、通常価格で購入する客を自ら減らしていることとも同義だ。週に1度は何かしらの商品が無料や半額で購入できると知っている店で、あえて定価を支払う消費者はそう多くない。