ダイハツ工業は軽商用車「ハイゼット カーゴ」および軽乗用車「アトレー ワゴン」をマイナーチェンジして発売した。「マイナーチェンジと言えどフルモデルチェンジに近い」(ダイハツの松林淳専務)という今回の改良だが、目玉は衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」の採用だ。

マイナーチェンジを受けて発売となった軽商用車「ハイゼット カーゴ」

全面改良に近い追加要素

1960年に発売となった軽商用車「ハイゼット」は、農業や建設業、配送業など、幅広い業種で使われるクルマで、累計生産台数は400万台を超える。ダイハツにとって最も歴史のあるモデルだ。

ハイゼット カーゴは1961年の発売で、現行モデルは10代目となる。フルモデルチェンジからは13年が経過しているが、ダイハツ取締役で専務執行役員の松林淳氏は、「マイナーチェンジと言えどフルモデルチェンジに近いくらい色んなアイテムを盛り込んだ」と今回の改良に胸を張る。

マイナーチェンジの発表会に登壇したダイハツの松林専務

外観を一新したほか、こすりやすいバンパーの角の部分を着脱可能な「コーナーピース」とするなど改良点は多いが、マイナーチェンジの目玉はステレオカメラを用いた衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」(スマアシⅢ)の採用だろう。

こすりやすいバンパーの角は20mm切り上げた。色が黒いので傷は目立たないし、修理するとしても着脱可能なので従来よりは安く済むという

安全装備の充実を打ち出す自動車メーカー

昨今、新車の発売やモデルチェンジでメーカーが安全面を強調する事例が増えている。例えばホンダは、軽自動車「N-BOX」のフルモデルチェンジで安全運転支援システム「ホンダセンシング(Honda SENSING)」を全タイプ標準装備としていたし、ダイハツも軽乗用車「ミラ イース」をフルモデルチェンジした際、低価格や低燃費といった従来の競争軸を押さえた上で、「安心・安全」を新たな軸とするとして「スマアシⅢ」の初採用を強調していた。

軽商用車にとっても、安心・安全は重要な競争軸になっているようだ。