『逃げ恥』『コード・ブルー』など、日本でヒットしたドラマの中で、海外のトップバイヤーたちはビートたけし主演の『破獄』をグランプリ作品に選んだ。ジャパニーズドラマは世界でどのように評価されているのか。10月にフランス・カンヌで開催された国際映像見本市「MIPCOM」(ミプコム)で聞いてきた――。 (前編はこちら)

『破獄』より (C)テレビ東京

篠原涼子主演『愛を乞うひと』は僅差

「MIPCOM」期間中、国際ドラマフェスティバルin Tokyoは、カンヌのマジェスティックホテル・サロンクロワゼットを会場に、日本の放送コンテンツを海外にPRするイベント「Jクリエイティブパーティー」を開催。そこで、世界各国のバイヤーたちが日本のドラマを投票する「MIPCOM BUYERS' AWARD for Japanese Drama」の授賞式が行われた。

今年は参加した放送局が拡大し、これまでのNHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ、WOWOWの7局に加え、朝日放送、読売テレビ、関西テレビ、北海道テレビの4局が加わり、全11局からノミネートされた11本が審査の対象となった。

ノミネート作品は、国民的ドラマと言われた新垣結衣×星野源による『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)をはじめ、平均視聴率14.8%で今年7月クールの全夏ドラマのトップを飾った山下智久主演の月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SESON』(フジ)、や平均視聴率14.0%で今年4月クールの全春ドラマのトップだった天海祐希主演『緊急取調室』(テレ朝)、昨年の夏ドラマで高視聴率だった北川景子主演『家売るオンナ』(日テレ)が並んだ。

また、カンヌでワールドスクリーニングが行われた綾瀬はるか主演『精霊の守り人』のシーズン2となる『精霊の守り人II 悲しき破壊神』(NHK)や、小栗旬×西島秀俊の『CRISIS公安機動捜査隊特捜班』(カンテレ)もあり、これにビートたけし主演『破獄』(テレ東)、池井戸潤原作で向井理×斉藤工の『アキラとあきら』(WOWOW)、篠原涼子主演『愛を乞うひと』(読売テレビ)の名作ストーリーもそろって、ローカル局制作の『#セルおつ』(朝日放送)、『UBASUTE』(北海道テレビ)も挑み、ベスト・ドラマが競われた。

グランプリを受賞した『破獄』の関係者たち

「MIPCOM」会場のパレ・デ・フェスティバル。今年の参加者数は世界110カ国から約1万3,900人に上った

結果は、『破獄』がグランプリを受賞し、僅差だった『愛を乞うひと』は奨励賞を受賞。『破獄』は、10月26日に発表された「東京ドラマアウォード2017」の単発ドラマ部門でもグランプリを受賞し、たけしは「撮影はとても大変でしたが、作品が次々と素晴らしい評価を受け、とても喜んでいます。これは全てスタッフの皆さんの力によるものです」とコメントを出した。