アルファロメオが強気だ。フィアットやアバルトなどを手掛けるFCAが持つブランドの1つだが、このほど日本で専売店60店舗を整備する方針を打ち出した。新車「ジュリア」の発表と同時に強気の姿勢を鮮明にしたアルファロメオだが、その勝算は。FCAジャパン取締役で営業本部長の牛久保均氏に聞いた。

FCAジャパン取締役で営業本部長の牛久保均氏

ジュリア導入でディーラー網を再構築、専売店設置へ

アルファロメオの新車「ジュリア」の発表会場は、記者席が一杯になるほど熱気を帯びていた。式次第は、FCAジャパン代表取締役兼CEOのポンタス・ヘグストロム氏による新車紹介に加え、アルファロメオで外観(エクステリア)デザインのチーフデザイナーを務めるアレッサンドロ・マッコリーニ氏がイタリアから来日し、107年に及ぶ同社の伝統と、受け継がれてきたデザインの系譜を熱く語った。

FCAジャパンが10月に発売したアルファロメオ「ジュリア」

ジュリア導入に寄せるFCAジャパンの期待が伝わる新車発表会であった上、さらに関心を呼んだのは、これを機にアルファロメオのディーラー網を再構築し、専売店を日本全国で展開するとの発表であった。

アルファロメオは「156」(1997~2005年)や「147」(2000~2010年)のあと、「ミト」や「ジュリエッタ」を日本に導入しているが、1980年代後半に登場した「164」以降の3桁数字の車名を使った時代に比べ、存在感が薄まっているのは事実だろう。そこに、専売店での販売網構築という話が出てきたのだ。FCAとして、フィアットやアバルトと併売するのではなく、単一ブランドでの販売店で商売を成り立たせていけるのか、という心配や驚きがあった。