――Vシネマではスティンガーと、彼を"相棒"と呼ぶチャンプが行動を共にしており、ときおり男同士の友情を思わせる描写が出てきます。チャンプを演じられたスーツアクターの岡元次郎さんとは、どのようなコミュニケーションを取られていましたか。

次郎さんには本当に仲良く接していただきました。長年培ってきた経験なども惜しみなく僕に教えてくださいますし、大船に乗った気持ちで芝居ができました。僕がこんな芝居をやりたいと提案すると、じゃあやってみようと言ってくださいますし、逆に次郎さんからここはこうしたほうがいいんじゃないの、としっかり指摘してくれる。本当にありがたいですよ。2人で、チャンプとスティンガーそれぞれの役をどう作り上げようか、話し合いながら撮影に臨んでいました。

――今回のVシネマでは、スティンガーの歌う劇中歌「サソリ座の歌」のほかに、「一輪の影」「見えない絆」と、岸さん歌唱による楽曲が3曲も入るところも大きなアピールポイントですね。

僕が作曲をさせてもらった「サソリ座の歌」はテレビシリーズ本編でも流れていて、とても大切な曲です。「一輪の影」と「見えない絆」は、もともと僕が10代のころから歌っていた曲をリアレンジして、作品世界にはまるよう台本に合わせて新しい歌詞をマシコタツロウさんに書いていただいたんです。これらの曲が『キュウレンジャー』Vシネマの曲として発表されるのはとてもうれしく、ありがたいと思っています。

――Vシネマの前日譚となる『ハイスクールウォーズ』では、Vシネマのシリアスさとまったく違う、意外なまでにコミカルなスティンガーたちの姿が見られます。あのテンションの差は、かなり混乱されたんじゃないですか。

『ハイスクール~』はVシネマの撮影中だったか、撮影後だったか、今となっては覚えていないくらい目まぐるしいスケジュールで撮っていました。もうこれを撮っているころになると、監督からどんな提案がきても、「なんでもやります!」と言っていました。そうしたら、あんな風に(笑)。ハミィにビンタされるときのリアクションも楽しかったですね。

Vシネマと差をつけたかったというのもありますし、テレビ本編でも最近はクールなだけじゃなく、ちょっと天然というかコミカルな部分を出してきていますから。ちょっとスティンガーの人間くさい部分を出してもいいかな、と思いながら演技をしていました。実は、ふだんの岸は『ハイスクール~』に近い感じでテンション高めです。だから、素が出てしまった感じですね(笑)。

――テレビでは感情のないナーガ・レイを演じている山崎大輝さんも、配信映像やイベントではものすごいテンションでしゃべり続けていますし、役者さんの素の部分が見られるのはファンとしても楽しいと思います。

みんなスキあらば前へ、前へ出ていこうとするでしょう。まるで2年目の芸人のような勢いですよね(笑)。そんな中、榊原~南ラインはベテランの8年目芸人のように構えている。若い奴らがスベったとき、あちら側でぜんぶ回収して、こちらに返してくれますから、心強いです!

――『キュウレンジャー』のテレビシリーズもいよいよクライマックスに向けてさらなる盛り上がりを見せてきました。これから岸さんはスティンガーをどのように演じていきたいですか?

スティンガーは自分自身のやるべきことを終え、これからはキュウレンジャーの一員として、仲間のために全力で生きるというポジションを貫いていきたいですね。僕としてはシリアスな芝居をたくさんさせていただいたので、今度はギャグ的なものを、榊原~南ラインと共に全力でやっていきたいです。Space27「オリオン号でインダベーパニック」ではネタっぽいシーンに参加させてもらったところ、ファンの方からすごい反響がありました。今後も、みなさんに喜んでもらえることをやりたいと思っていますので、楽しみにしていてほしいです!

――キュウレンジャーでヒーローという役柄に挑んだ岸さんですが、今後俳優としてどんな役に挑んでみたいですか。

何でも演じてみたいんです。たとえば、自分の中にまったくなかった要素として、ヤンキー役とか、凶悪な殺人鬼とか……。ヒーローを演じたあとに、こんな役をやるのか?って驚かれるようなものにも挑みたいです。それくらい、役に対してこだわりがないというのが、逆に僕のこだわりと言えます。もし必要とあれば、脱ぎますよ(笑)!

――最後に、Vシネマの発売を楽しみにされている多くのファンの方たちに、ひとことメッセージをお願いします。

レッド以外が主役のVシネマ作品というのは、「スーパー戦隊」シリーズ初だそうです。座長をやらせていただくにあたって、やるのであればこういう作品にしたいという気持ちを、いろいろな方と一緒になって具現化することができたかな、と思っています。ミュージシャン・岸洋佑としても、音楽面で参加をしていますし、ファンの方にはこのVシネマをいろいろな観点から楽しんでいただきたいです。Vシネマをご覧になることによって、いっそう『キュウレンジャー』を愛してほしいですし、すべてのキャラクター一人ひとりを応援していただけたらうれしいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

プロフィール
岸洋佑(きし・ようすけ)
1993年7月2日生まれ。神奈川県出身。
テレビのオーディション番組に出演したのがきっかけとなり、2011年よりシンガーソングライターとして音楽活動を開始。2017年の『宇宙戦隊キュウレンジャー』で俳優としての本格的なテレビドラマのレギュラー出演作となる。Vシネマ『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』では主演を務めると共に、主題歌「見えない絆」と劇中歌「サソリ座の歌」、挿入歌「一輪の影」を歌唱している
秋田英夫
主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌などで執筆。これまで『宇宙刑事大全』『宇宙刑事年代記』『メタルヒーロー最強戦士列伝』『ウルトラマン画報』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『ゴーグルV・ダイナマン・バイオマン大全』『鈴村健一・神谷浩史の仮面ラジレンジャー大百科』をはじめとする書籍・ムック・雑誌などに、関係者インタビューおよび作品研究記事を多数掲載

(C)2017 東映AG・東映ビデオ・東映
(C)2017 テレビ朝日・東映AG・東映