トヨタ自動車は23日、タクシー専用の新型車「JPN TAXI」を発売した。日本の"おもてなしの心"を反映し、子供や高齢者、車いす使用者、外国からの観光客などさまざまな人に優しく快適なタクシー専用車として開発された。乗降しやすい低床フラットフロア、大開口のリヤ電動スライドドア(左側のみ)、車いすでの乗車も可能な構造など、グリップから構造全体に至るまで工夫と改良を重ね、人に優しいユニバーサルデザインとした。

トヨタ「JPN TAXI」の「匠」(深藍)

「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」では、ロングライフで流行に左右されないスタイリングや、古くから日本を象徴する色として愛用されてきた藍色「深藍」のボディカラー、ひと目でタクシーと認識でき、かつ街並みを美しく統一することもめざした。ボディカラーは「深藍」の他に「ブラック」「スーパーホワイト II」の全3色を設定している。

ドライバーの観点では、ピラーの位置・形状の工夫やフェンダーミラーなどによって良好な視界を確保。タクシー専用設計のこだわりとして、ナビゲーション画面・料金メーターを乗客も見やすいセンター位置に設置できるようにするなど、機器類の配置を用途に合わせて見直し、機能性を向上させている。

車両性能については、新開発LPGハイブリッドシステムを採用することで、JC08モード走行燃費19.4km/リットルの低燃費とCO2排出量の大幅な低減を達成し、環境性能と動力性能を高次元で両立させた。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」や6つのSRSエアバッグの標準装備など、安全装備も充実させている。

「JPN TAXI」は「和(なごみ)」と「匠(たくみ)」の2タイプを展開する。価格は「和」が327万7,800円、「匠」が349万9,200円(ともに税込)。