SF映画の金字塔と言われる『ブレードランナー』(1982年)の続編『ブレードランナー 2049』が10月27日に公開を迎える。本作のストーリーには、新人ブレードランナー・Kを演じる俳優ライアン・ゴズリングのアイデアが数多く採用されているという。メガホンをとったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、そんなライアンの"ストーリーを作る能力"の凄さを明かした。
ドゥニ監督は「素晴らしい役者であるだけでなく、素晴らしいストーリーテラーなんだ」と、ライアンの知られざる一面を明かす。ライアンといえば、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』で歌って踊れてピアノも弾けるというイケメンぶりを披露し、世の女性たちを熱狂させていた。そんな俳優としての華やかな演技力が注目される彼だが、実は自身の出演作『オンリー・ゴッド』(2013)をはじめ、これまでさまざまな作品で製作総指揮や監督・脚本を務めるなど、制作者としてもマルチな才能を発揮している。
ライアンは「本作では前作から30年が経過している。だからこそ、登場するのは前作以上に厳しく孤独な世界で、僕が演じるKも複雑さや孤独を十分に知る人物だと思ったんだ」と、ストーリーを考えながら自身の役作りを行ったという。そんな彼について、ドゥニ監督は「僕の映画では、脚本から実際の製作に入る段階で、さまざま変化を加えていくことが多い。そのプロセスにおいて、ライアンは僕にインスピレーションを与え続けてくれた。彼は素晴らしいアイデアの宝庫なんだ」と明かし、彼の意見が本作のストーリーを形付けたとも話した。
SF映画の巨匠リドリー・スコットから直々に監督を引き継ぎ、「偉大すぎる『ブレードランナー』の続編に取り組むなんて自殺行為にも等しく、あまりにも大きな挑戦だった」と大きなプレッシャーを感じていたと明かすドゥニ監督。しかし、ライアンの存在により、そんな難しさを跳ね除けられたという。「僕はこの映画で何カ月ものあいだライアンと一緒に仕事をしてきたけど、クリエイティブ面でもライアンがとてつもなく貢献してくれたんだ。ライアンは僕にとってもっとも信頼できるパートナーだ」と、ライアンとの“信頼関係”が本作を誕生させたと明かした。
ライアン本人もドゥニと二人三脚でストーリーを築いたことに喜びを感じていたようで、「自分も語り部の一部になってみると、特別なチャンスを手にしていることに気づいたよ。ベストだと思うアイデアは監督と同じで、映画の中にも反映されている。それが見つかるときは本当に楽しいし、2人とも同じ夢を見ていたということが非常に興奮して楽しかったんだ」と語っている。