※2010/10/13掲載記事の再掲です

片思いをしていたあの人に、ほかに好きな存在ができてしまった。片思いをしていて、告白をしたけれども、振られてしまった。片思いしていたあの人に恋人ができてしまった。ようやく念願叶って付き合えたのに、振られてしまった。あの人を自分から振ってしまったものの、今更相手の大切さに気づいた。でも、もうあの人は心は自分から離れてしまった。

諦めなければいけないのかもしれない、でも諦めたくない……。皆さん今、それでも好きで好きで、諦められない人はいますか。もしかしたらもう相手に自分の想いは伝えているのかもしれない。または、想いを伝えることも怖くて、ただ一人で孤独に苛まれている最中なのかもしれないですね。好きな人を諦められなくて、この苦しみから解放されたい自分は、どうすれば救われるのでしょうか。

失恋の自信喪失から恋愛に希望を見出した日々

私はかつてこの問いの答えを求めて、一人の女性を時間をかけて追いつづけたことが三回ありました。今回はその中の二人目の女性、数年前にお付き合いをしていた女性について話したいと思います。私の実体験から、コラムのタイトルに込めたメッセージを感じていただければ幸いです。

縁があるときは本当に物事が順調に運ぶもので、それまで片思い失恋を幾多も重ね、自信喪失して恋愛に希望を失いつつあった自分が、その女性とは、出会って一カ月で付き合うことができました。それまでが嘘だったかのように、新鮮で刺激的な日々をともに過ごすことができたのですが、あることが原因で彼女の気持ちは急変、そのときは突然訪れたのです(ここではあえてくわしい原因は伏せます)。

そう、それは「別れ」の瞬間。その連絡は、ある初秋の土曜日の午後、家で何をするでもなく一人で寛いでいるときにやってきました。「(省略)出会えて本当にいろいろなことを学んだよ。今までのことは全部後悔していない。本当にありがとう、さようなら」。相手から一通のメールで非情にもそれまでの関係に終止符を打たされるような宣告を受けました。

そのメールを受け取ったとき、「あの彼女がここまで淡々と自分にさよならを告げている。もうこれは修復不可能なレベルだろうな」と直感で悟りました。こういうメールを受け取ったのは、彼女が初めてではありませんでした。過去の経験から、女性がそういう内容のメールを男性に送るときは、気持ちの整理がついているからだというのは、予想がつきました。「わかった。そこまで言うのならば、別れることがお互いにとって良いのかもしれないね」ディスプレイに表示されている彼女の無慈悲な長文にたいし、私は冷静に返信しました。

メールでは伝わらないと走り出したその先には……

しかし、そのメールを送り終えた後、そんなクールな内容とは裏腹に、私の胸のなかでは、「まだ努力すれば、自分の本気を見せれば、どうにかなるかもしれない」という諦めきれない想いと、「彼女はまだ自分のことを好きでいれてくれているだろう」という妄信が止まなかったのです。

それは、別れを直接彼女と面と向かって言われたのではなく、メールという文字媒介のツールで告げられたことと、そのメールが送られてくる数日前まで、あそこまでお互い好きあっていた過去の記憶から、現実をにわかには受け入れられない自分がいたのです。今ならまだ間に合うのかもしれない! 私が5分後にとった行動は、彼女に直接会いに行く選択でした。

メールでなれば、自分の気持ちなどいくらでもオーバーに、そして簡単に伝えられる。でも、自分の本気の気持ちを彼女に分かってもらうためには、行動に移して、理解してもらうしかない。「きっと自分に会えば考えを変えてくれるはずだ。自分も本気で気持ちを伝えよう」。可能性を信じて、無我夢中で彼女が住む最寄り駅に電車とダッシュで駆けつけました。

続きは後編でご紹介します。

文●TAKA氏 写真●ペイレスイメージCopyright(C)2010 paylessimages,Inc.All Right Reserved.

筆者プロフィール:TAKA氏
地方公務員として勤務する傍ら、ストレス発散や心の悩みを和らげるための憩い場を提供するリラクゼーションサイト「ラブステ」を運営中。恋愛に不器用な方や、孤独や不安に苛まれて明日を見失っている方を対象に、サイト内の相談所やメールを通じて、相談も受け付けている。自身の経験と傾聴のスタンスをもとに、6年間で約500名の相談者と対話した実績を持つ。