しなの鉄道は今月から、かつて115系に施された「コカ・コーラ」レッドカラーを塗装で再現するためのクラウドファンディングを実施している。

「コカ・コーラ」レッドカラーの電車完成イメージ。最終的なデザインは日本コカ・コーラの確認を経て決まる

「コカ・コーラ」レッドカラーの115系は、JR東日本が発足した1987年から約4年間、長野地区を走行。全国初というフルラッピング車両で、車内にはコカ・コーラ仕様の自動販売機が設置されていた。現在、この車両はしなの鉄道に在籍しており、S11編成「イイヅナのラッピング」車両として活躍している。

しなの鉄道は今年、開業20周年の記念事業として、過去に信越本線を走っていた懐かしい車体カラーを115系で次々に復刻。4月の「初代長野色」を皮切りに、「湘南色」「横須賀色」を相次いで復活させ、現行の「しなの鉄道色」や「長野色」、観光列車「ろくもん色」と合わせて全6色の115系が出そろった。

しかし鉄道ファンから「『コカ・コーラ』レッドカラーの電車もあったはず」と指摘があり、いったんは「信越本線時代から走っていた車体カラーはこれですべて」と思った同社も再調査を実施。その結果、30年前に「コカ・コーラ」レッドカラーの115系が走行していたとわかり、この機会に塗色変更で復活させようとの機運が社内で高まったという。だが計画外の塗色変更であるため、年間予算から捻出することができず、クラウドファンディングを活用して塗装変更費を集めることとした。

資金集めが成功した場合は、来年2月に実施する重要部検査に合わせて「コカ・コーラ」レッドカラーに塗り替える。それを逃すと次の塗色変更は4年後になるが、その頃には今年塗り替えた復刻車体色3種類が「しなの鉄道色」に戻ってしまうため、7種類のカラーがそろうのは今回のクラウドファンディングが成功した場合に限られる。支援者には金額に応じてリターン(返礼品)が贈られるほか、名前がS11編成の車内に掲示される。