――この『THE NEWS α』が、今までのニュース番組と違う特徴はなんですか?

椿原:「働く人に役立つ情報をお届けする」というのがテーマなんですが、働く人に向けてという軸をしっかり持つ点が新しいと思っています。働く人というと、ちょうど私たちの世代から60歳くらいまで、幅広い年代の方がいらっしゃると思うんですが、実際に社会で働いていて人に話したくなるような話題とか、お仕事や実生活に直結するような情報をお届けできればなと思ってます。

――椿原さんの担当する月~木曜は次の日にも仕事がありますが、松村さんの担当する金曜はお休みの前の放送ですよね。

松村:金曜日は時間帯も少しだけ遅いので、週末に向けてのプラスαの情報と、翌週に向けての情報がお届けできればと思っています。この番組は、メインターゲットが30~40代なので、私も等身大でお伝えできるかなと思っています。

――横並びで見ると、一番遅くスタートするニュース番組です。前の『ユアタイム』からも、さらに10分遅くなりました。

椿原:そうですね。フジテレビもそうですけど、各局朝から晩まで生放送で、さまざまな報道情報番組があるので、「働く人をターゲットにする」というところで違いを出せればなというのをスタッフとも話しています。他の番組とどのように違う情報をプラスして入れられるのか、違う観点でニュースをお伝えできるのかというのは、スタッフと1つ1つのネタと向かい合いながら、毎日探っていければなと思ってます。

――ニュースの3つのポイントを明示する画面手法や、落ち着いたテーマソング・スタジオセットも印象的です。

椿原:とにかくシンプルにテンポよくというのが番組のコンセプトです。テーマソングは機械音が入り、スタジオは真っ白で近未来的。でもどこか不思議とホッと落ち着く印象が気に入っています。

松村:3つのポイントは要点がうまく表示されていてニュースのポイントが分かりやすいと思いました。音楽は、最初はもう少しアップテンポの明るい曲のほうがタイミングを取りやすいと思ったのですが、これも慣れたのか、毎日聞いていると落ち着いて聞こえて、ちょうどよく感じています。

――夜型生活への転換はいかがですか?

椿原:9月までは日曜の『Mr.サンデー』だけだったんですけど、通しで夜になるのは初めてなので、どんな生活になるんだろう…と思ってます。私、昼間は結構アクティブに動きたいので、これまでは夕方の『みんなのニュース』の前にジムとか行ったりしていたんですけど、夜の番組の前にエネルギーを使いすぎて疲れたりしちゃうかも(笑)。まだバランスが分からないので、最初は探りながら予定を入れようかなと思ってます。

松村:私は金曜に加え、土日は引き続き『スポーツLIFE HERO'S』があるので週末が夜型になるんですけど、もともと夜が多かったので、大丈夫です。

椿原:未央ちゃんの方が夜は先輩だから、いろいろアドバイスをいただきたいですね。

――松村さん、どうですか?

松村:ちょっと寝るのが遅くなるので、最初は肌荒れとかが気になると思います(笑)

椿原:えっ、ほんと!?

松村:椿さんは大丈夫だと思うんですけど、私は結構肌荒れ対策をしました。フルーツでビタミンを摂ったり、やっぱり食べ物ですね。

――先ほども名前が出ましたが、安宅アナが月~金通しでサブキャスターですよね。新人でこの大役は、先輩から見ていかがですか?

椿原:安宅くんはこの番組が決まってから、初めて一緒にお食事をしたんですけど、すごく爽やかで、好感度の高い男の子だなと思ってます(笑)。理系で東大の院卒なので、「そういう思考を持ってるんだな」とすごく新鮮に感じることがあるから、気付いたことがあれば遠慮なく言ってねということを伝えました。でも、堂々としていて、そんなに緊張している感じがなかったので、期待してます。

松村:フットワークがすごく軽いんですよね。プライベートでも飲みに行こうよって誘うと、結構来てくれるので、仕事の面でもどんどん取材現場に出て、中継などにも生きるんじゃないかなと思います。

――スポーツ担当は、椿原さんが中村光宏アナと一緒ですね。

椿原:奥さまの生野(陽子)さんとはずっと一緒なのでちょこちょこお話は聞いてたんですけど(笑)、光さん(中村アナ)とお仕事でご一緒するのは初めてなので、緊張もあります。先輩ですし、私はスポーツにあまり携わってこなかったので、いろいろ教えていただきたいです。

――金曜日のスポーツ担当は、鈴木唯アナですね。

松村:私自身もスポーツが好きなので、唯ちゃんと一緒に積極的にスポーツ情報をお伝えしていきたいです。唯ちゃんは野球に詳しくて、アナウンス室に選手のユニフォームが置いてあるくらいなんですよ。それに『HERO'S』ではサッカーの取材もしてますし、英語も堪能なので、海外の選手へのインタビューなどにも期待しています。

それに、イラストがすごく上手で、サッカー取材では自分が描いた選手のイラストを持ってレポートしたりもしているので、そういうアーティスティックな面を発揮してもらいたいですね。あと、彼女はキャラクターがいい意味で個性的(笑)。視聴者の方が「この子なんだろう?」って引きつけられるようなリアクションもあると思います(笑)

――これまで、さまざまな取材をされてきたと思いますが、特に印象に残っている出来事はなんですか?

椿原:やっぱり、去年のアメリカ大統領選が、私の中で大きな経験として残っています。4回アメリカに行かせていただいたんですが、車をレンタルして私もナビをしながら各陣営の集会を回りました。途中で休憩しながら夜通し走るなどして、1~2週間の滞在中は、なかなか睡眠も思うようにとれないという状態で取材したんですが、最初はトランプが大統領になるなんて想像もしなかったんです。それが、徐々にトランプを支持する人の熱気がひしひしと感じられるようになりました。

私の中で、アメリカというのは「人種のるつぼ」で、いろんな人種を認める国というイメージがすごく強かったんですけど、トランプが移民に対して、職を奪われるという不安の声を上げたことで、そういう声を上げていいんだっていう空気が出来上がっていくその瞬間に立ち会って、世の中が変わっていく様子をまざまざと感じましたし、ちょっと怖いなと感じる部分もありました。そうして国が大きく動き、二分されるところを見て回ったことで、私の中で民主主義ってこういうことなのかなとか、これが日本だったらどうなるんだろうとか、考えさせられましたね。

――新番組のスタートは、日本でも衆議院選挙の時期になりましたし、そうした経験を踏まえて伝えられることもあるかもしれませんね。松村さんはいかがですか?

松村:私はこれまでスポーツ取材が多いのですが、一番印象に残ってるのは、1カ月間行ったソチオリンピックの取材です。当時はフィギュアスケート班について中継に携わり、バンクーバーからソチまでの4年間、ずっとフィギュアを見てきたので、浅田真央選手や、高橋大輔選手、羽生結弦選手の金メダルも、一連の流れの集大成という感じで見ることができて、すごく印象に残ってます。

――もうすぐ平昌オリンピックも始まりますね。

松村:そうですね。日本勢は、女子の世代交代というのを感じているので、浅田選手が引退した後の新たなスターに期待したいです。

――そうした過去の経験を踏まえて、この新番組で取材をしていきたいテーマはなんですか?

椿原:昨年から今年は、それこそアメリカの大統領選や、北朝鮮に行って万景峰号にも乗りましたし、本当に幅広く取材させていただきました。夜の番組は、世界のニュースが動く時間帯でもあるので、世界のニュースも引き続き注目していきたいです。

松村:私も海外取材に行きたいんですが、国内にも目を向けていきたいと思っています。東京オリンピックも控えているので、それに向けた取材もきちっと行って注目していきたいですね。それから、大きな事件・事故だけではなくて、ちょっと身近なゆるいネタの企画取材などにもぜひ行ってみたいと思ってます。