TVアニメ第2期シリーズの最終回において、早くも3期シリーズの制作が発表されたTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』より、主人公・デクの宿敵となる敵(ヴィラン)・死柄木弔(しがらきとむら)を演じる声優・内山昂輝のスペシャルインタビューが到着した。

インタビューでは、1期から2期まで、素性が謎の敵役という難しい役どころを演じてきた内山が、死柄木を演じる上で考えていること、アフレコ秘話、そして第3期に向けた意気込みなどを語ってくれている。

死柄木弔役・内山昂輝のスペシャルインタビュー

――死柄木役にキャスティングされた時はいかがでしたか?

最初キャラクターデザインを見た時は驚きました。ビジュアルのインパクトが強くて、「これにどうやって声をあてるんだろう?」って感じて、演じるのが難しそうだなというのが第一印象でした。"手"が顔を隠しているので、まず表情が見えない。これまで他の作品ではキャラを演じていくうえで、表情というのはかなり参考にはなっていたんですが、死柄木はそれがほとんど見えない。だから感情が読めないし、最初はそういった意味で難しさを感じましたね。

――まだ謎が多い死柄木ですが、どういう人物だと考えていますか?

オールマイトが言っていましたが、「子ども大人」というのを、僕もキーワードとして頭に置いています。考え方が中学生っぽいというか…。世間で"善"とされてるものをブチ壊したいという衝動で動いていて、不安定なんだけど、だからこそ手が付けられない。そういう印象があります。

――収録中の演出で印象に残っていることは?

「あまり会話を成立させようとしない」というやり方をよく使います。会話って普通は、相手との距離感を意識して"言葉をかける"ものですが、死柄木の場合、それをやめてほしいという演出をよくされます。なんなら小さくて聞こえないレベルでもいいから自分の内の世界に語り掛けるようなイメージ。そうして演じてみると、死柄木っぽさ、どこか狂った感じが出てきて、自分でも波に乗ってやっていけるんです。

――2期第2クールのステインとのやりとりも印象的でした

ステインが自分の前にやって来て、触発されて、ステインよりも俺が壊してやろうと脳無に街を襲わせた。でも事件の後、世間はステインばかり取り上げて、それに腹を立てて…。その時に言われたのが「死柄木は負けたと思ってない」ということでした。劣等感とか敗北感じゃなくて、ただ納得がいってない。「はあ?なんで俺じゃないんだ?」という素直な疑問。その理由が本当にわからないからムカつく。そういう感情でした。

――その理由を探していて、2期最終回でデクと話をしましたね。収録はいかがでしたか?

セリフが多くて大変でした(笑)。死柄木はセリフひとつひとつのセンテンスが長くて、かつどちらかというとゆっくりめの喋り方で、そこに黒い感情を入れるので、そういった点でも難しかったです。死柄木自身としては、「全部オールマイトだ」って、全部あいつが悪いというシンプルな結論にたどり着いて、彼の中で疑問が解消された感じですね。顔に手はついてなかったからわかりやすかったですが、憑き物が取れたようなスッキリした表情をしていましたし。

――そして3期へと進んでいきます。先の展開についてはご存知ですか?

死柄木は毎回登場するキャラではないのもあって、出番がくるタイミングでちょっと先まで原作を読み進めて、という感じです。毎度試行錯誤しているのですが、作品によって、先々まで全部知っておいた方がいい場合と、そうではない場合があると思います。この先でこういう展開があるから、伏線としてこういう感情で演じて…という風にやっていくと、やりすぎになることもあるので。もちろん、キャラにとって重要なポイントはスタッフさんが教えてくれるので、僕は今のスタンスがちょうどいいかなと思っています。だから、ヒロアカ3期はそんなに展開を知らないので、楽しみですね。

――3期に向けて意気込みはどうですか?

2期最終回で荼毘やトガっていう新顔が敵(ヴィラン)連合に入ってきて、死柄木と彼らがどういう動きを見せるのか、一方で成長していくデクたちヒーロー側とどう対決していくのかっていうのも楽しみだし、見どころだと思います。

――仲間ができましたね

仲間なんですかね(笑)?どうなるかわかりませんが、面白そうなキャラだし、絡みも多くなりそうなんで楽しみです。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします

2期最終回で死柄木も自分の中でひとつの結論にたどり着いて、そして同じタイミングで新メンバーも登場して、新体制になったというか…って、まだ手を組むのかわかりませんけど(笑)。ヒロアカはデクたちヒーロー側を応援する視点で見ている方が多いと思いますけど、僕ら敵(ヴィラン)側も変化していくので、こちらにも注目してほしいと思います。ぜひ期待していてください。

(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会