国内外の観光客で日々賑わっている東京・浅草。浅草寺をはじめ、人力車やすき焼き、人形焼き、雷おこし、豆かんなどなど……、浅草名物はたくさんある。しかし、それらすべてを華麗にスルーして、今回向かったのはラーメン店。実は「ラーメン食べ放題」なるものを実施しているのだ! その店の名は「拉麺ビュッフェBUTA」(東京都台東区)。

「拉麺ビュッフェBUTA」(東京都台東区)の看板。ラーメンとビュッフェってつながらない!

浅草にグルメの新名所誕生!

TX「浅草駅」を出てすぐ、国際通り沿いでひときわ目立つ豚の看板と「食べ放題」ののぼり。道行く人も興味深そうに眺めているように、「ラーメン食べ放題」ってかなり珍しい。

「ラーメン食べ放題」は相当なパワーワードだ

「日本初」って、そりゃそうでしょう!

もともと久留米ラーメンのお店だったという同店だが、福岡出身の店長・久野亨さんが九州から出てきたときに、東京のラーメン屋さんのカウンターにいろいろなトッピング具材(紅ショウガやもやしなど)が置いてあるのを見つけた。そこで「東京の人は自分たちでカスタマイズして食べるのが好きなのかな?」と印象に残ったそうで、せっかくだからお客さん自身でトッピングして食べてもらう店にしよう、と考えたことから2017年3月にお店をリニューアルオープンしたそうだ。

店内はカウンターのみ

システムは券売機制で、事前にトッピングを皿に盛り、着席してからラーメンが出てくるというもの。麺は通常の半分量になっており、「ふつう」「カタ」「バリカタ」などから麺の固さを選べるところや、替え玉が頼めるところは博多ラーメンと同じスタイルだ。また、新しいトッピングを試すときに味が混ざらないよう、おかわりも用意。攻めたトッピングで万が一失敗したときにも、リスタートできるのが嬉しい。制限時間は30分で、時間になると店員さんが教えてくれる。

おかわりも替え玉もできるのが嬉しい

お客さんは男性が多いとのことだが、「浅草という場所柄、外国人観光客も来店することもあるのでは?」と久野さんに聞いてみると、「外国の方は正直、食べ方に戸惑う方も多いですし、説明がむずかしいですね(笑)」とのこと。そりゃそうだ。だって正直、日本人でもラーメン食べ放題って言われたら「えっ!?」って思うんだから。

それにしても、トッピングは種類が豊富。「いろいろなトッピングを試してみて、楽しんでもらえたら」というご主人の気持ちは、ラインナップから見ても明らかだ。ズラリと並んでいるのは、チャーシュー、メンマ、のり、卵といった定番から、青椒肉絲(チンジャオロース)、豚の角煮、回鍋肉(ホイコーロー)などの中華、そして梅ちりめん、彩りナムル、とろけるチーズ、とろろまで。

見よこの豊富なトッピング! おもいっきり欲張ってよし!

チャーシューもたっぷり用意されているからバクバクいっちゃって!

味付け卵とノーマルなゆで卵

おすすめトッピングを試してみるのもよいかも

組み合わせ無限大! 「ラーメン食べ放題」スタート

早速、トッピングをチョイスしてみる。3つ分割されたお皿を4枚使って、まずはチャーシュー、青椒肉絲、角煮、味付け卵、メンマ、ナムル、きくらげ、辛みネギなどを選び、せっかくだからとろろも乗せてみた。そして麺は「普通」でオーダー。やってきたのは、ちょっと浅めのラーメン丼に入った半玉分のラーメンだ。

ひとくち中華的な楽しみ方もできる

皿をめいっぱい駆使してこんな豪勢な見た目に!

運ばれてくるラーメンは、スープと麺のみ

最初に言っておこう。トッピングの豊富さに心をひかれがちなのだが、このお店は"ラーメンもめちゃくちゃうまい"のだ。実はご主人、久留米の名店「大砲ラーメン」に15年間働いていたという、久留米ラーメン作りの達人。スープは博多とんこつラーメンとは違い、「呼び戻し」という手法で作られるもの。スープも骨も継ぎ足して、釜が空にならないように作るので、スープにも深みとコクが出てくるのだという。それだけ手間もかかり技術も必要ものだ。

トッピングを乗せなくても、そもそもラーメンが激ウマ!

トッピングを乗せる前にスープを飲んでみると、ああ~おいしい! クリーミーで深みのある味わいに、一発でやられてしまった。博多ラーメンよりも熊本系のラーメンにも近い印象だ。絶品のスープは細麺にもよく絡み、「素ラーメン」だけで完食したくなってしまうくらいのおいしさ。

麺の固さが選べるのでおかわりする度に変えてみると食感の違いが楽しめる

待て待て、ここはトッピングもウリなんだよ。チャーシュー、メンマ、卵、ネギ……、ってついつい定番を乗せてしまう。遊び心は後に取っておいて、まずは定番の具でラーメンを味わってみよう。

チャーシューや角煮は、手抜きのないしっかりとした味付けだからたまらない。味付け卵にも味がよく染みこんでいて、とろけるようなまろやかさを加えてくれる。さらにメンマときくらげといった、タイプの違うコリコリとした食感やネギの絡みもあって、丼の中でジャズってる。ジャズってるよぉ。

まずは定番的なトッピングで

これだけでも結構なお値段になってそうだが食べ放題なので30分間に何度でも!

味付け卵も手抜きなし!

完食後の次の一杯では、とろろに挑戦。どう考えても合わないのでは……? と思ったものの、意外にもスープの邪魔をせず、さっぱりした味わいになって美味。何杯か食べ進めてからとろろで締める、という食べ方もいいかもしれない。また、チーズもちょっと洋風なアクセントになって面白い。

ただし組み合わせには注意しないと、何を食べてるかわからなってしまいがちだ! あくまでもラーメンのフィールドを守って戦って、いや食べて欲しい。

とろろもさっぱりとした味になってオススメ

チーズまで乗せてしまえるのは食べ放題ならでは

乗せる具によって全く違うラーメンに

ちなみに、これまで最も食べた人で27杯。普通の男性で5、6杯は食べる人が多いそうだ。トッピングのほかにも、ご飯もあるしデザートもあるので、制限時間の30分をたっぷり堪能することができるはず。

来店前は、珍しい店を訪れる気持ちだったのだが、食べてみるとあまりにラーメンがおいしいので、普通にラーメンを食べに再訪したくなってしまった。男性が税込1,050円、女性が税込980円で、このクオリティだったらコスパ抜群。ラーメン好きな人も、食べ放題好きな人も要チェックだ。

●information
拉麺ビュッフェBUTA
住所: 東京都台東区浅草2-11-7 森口ビル1階
営業時間: 月~金11時30分~21時30分(L.O)
     土日祭日11時~21時30分(L.O)
定休日: 水曜日