矢野経済研究所は9月7日、「国内クラウドファンディング市場に関する調査(2017年)」の結果を発表した。それによると、2016年度の国内クラウドファンディングの市場規模は745億5,100万円となり、前年度と比べて96.6%増加した。

人気グループ関連のプロジェクトで支援者拡大

同調査では、「購入型」「寄付型」「投資型(ファンド型)」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式(投資)型」のクラウドファンディングを対象とし、年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出している。調査期間は2017年4~6月。2017年6月末時点におけるクラウドファンディングを扱う企業数等は約170社。

2016年度の市場規模を類型別にみると、「貸付型」が約672億円と最も多く、全体の90.3%を占めた。次いで「購入型」が約62億円(構成比8.4%)、「寄付型」が約5億円(同0.8%)、「投資型(ファンド型)」が約3億円(同0.5%)、「株式型」が約0.4億円(同0.1%)と続いた。

同社によると、貸付型では好利回りの案件に加え、大型案件の起案数が増え、リピーターが増加。購入型では、前年度に続いて社会貢献性が高いプロジェクトが多く起案され、1億円を越える大型プロジェクトも成立した。また「国民的人気グループの解散にちなんだ応援メッセージなど共感性の高いプロジェクトも起案され、新たな支援者の拡大も進んだ」(同社)という。

2017年度の国内クラウドファンディング市場規模は前年度比46.2%増の1,090億400万円と予想。同社は「これまで以上に、プロジェクト案件の達成数の増加を背景に拡大基調を予測する」としている。