航続距離の不安は解消?

新型リーフには「S」「X」「G」の3つのグレードがあり、価格は税込みで315万360円から399万600円まで。日本では2017年10月2日に発売し、米国では12月、欧州では来年1月の市場投入を予定する。リチウムイオンバッテリーは体積(サイズ)を据え置きつつ、容量を現行モデルの30kWhから40kWhへと拡大。これにより、リーフの航続距離は280キロから400キロへと伸びる。

24kWhのバッテリーを積んで登場した初代リーフと比べると、新型の航続距離は2倍だ。日産で日本事業を担当する星野朝子専務によると、日本の一般的なドライバーであれば、週に一度の充電で十分というバッテリー容量に仕上がっているという。

新型リーフの航続距離は初代登場時の2倍だ

ここ数年でEVの充電環境も充実してきている。日産によると、日本には2017年3月末時点で7108基の急速充電器(QC)があり、普通充電器と合わせた数は2万8260基となる。初代リーフ登場時はQCが360基しかなかったというから、EVの乗りやすさは格段に向上しているはずだ。

高速道路網でのQC整備も進みつつある。現状、サービスエリア(SA)/パーキングエリア(PA)の40%以上でQCの導入が済んでおり、その割合はガソリンスタンドの約25%よりも高い。高速のQC設置間隔は平均40キロとのことなので、早めの充電を心掛けていれば、高速道路の真ん中でバッテリー切れという事態に陥らなくても済みそうだ。

新型リーフの充電時間を見ると、急速充電で80%まで充電するのに要する時間は40分とのこと。容量が増えたため、24kWhバッテリーのリーフと比べると80%充電に要する時間は10分伸びているが、当然ながら80%充電で走れる距離は新型の方が上だ。ただし、ガソリンの給油と比べれば充電時間が長いという点は変わっていないので、SA/PAなど、QCが限られている状況で、複数のEVが充電を待って並ぶという状況は、今のところ避けるすべがないようだ。あるいは、一気にEVが普及すれば、そういうシーンに遭遇する確率は高まる可能性もあるだろう。

EV普及を阻む課題を洗い出し、それに対応することでリーフの販売を加速させようとする日産。それでは、エンジンで走る一般的なクルマに乗るユーザーに対し、日産はリーフの強みや特徴をどのように伝えようとしているのだろうか。