Taker/Makerと成行/指値の関係:Taker=成行・Maker=指値ではない

国内の取引所ではキャンペーンも含めて取引手数料が無料のところが多くなってきている。手数料を設定している取引所ではTakerとMakerという2つの手数料体系を取っていることがある。そもそもMakerとTakerが何を表しているのか理解できているだろうか。

  • Maker(メイカー):板に表示できる指値注文を出して板を厚くし取引を促す
  • Taker(テイカー):板に表示されている注文を消費する

Makerになるのは、現在値よりも高い価格で売り注文を出すか、低い価格で買い注文を出したとき。この場合は、注文はすぐに約定せずに板に表示されるので、相手方からの注文を促すことができる。取引を作っているので、Makerと覚えておけばよい。

Takerはその逆で板に表示されている注文を消費したときなので、成行注文を出した場合がまず対象となる。加えて、現在値よりも高い価格で買い指値注文を出した場合または、安い価格で売り指値注文を出した場合に、「その価格までの間に並んでいる数量分」はすぐに約定し消費されてしまうのでTakerとなる。したがって成行注文を出すとTaker、指値注文の場合はMakerになるというのは間違いである。ここで解説した取引の仕組みは、Taker、Makerの手数料計算に使うというよりも、今自分が入力した指値注文がどこまですぐに約定し、どこまでが板に乗るのかを見定めるのに役立つ。

この板で480,050円の1.000BTCの買い指値注文を出した場合は、板にある480,033円までの計0.02BTCがすぐに約定する(Taker)。残りの0.08BTCが480,050円の買いとして板に表示される(Maker)。ちなみにこの時の現在値表示は480,033円になる

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仮想通貨取引の脱初心者を目指すにはここで紹介したような取引に関する知識に加え、チャートの見方やリスクコントロールの仕方などを覚えることも必要だ。机の上で、う~んと考えながら本記事を読むとすぐに忘れてしまうかもしれない。実際の取引をする場合に、取引画面と並べて言葉の意味を確認しながら読んでもらえれば幸いである。