助手席の稼動域が拡大、使い勝手が向上

まず軽量化の部分では、約9割の部品を見直すことで、初代に比べ重量が約80キロ軽くなっている。開発責任者を務めた本田技術研究所の白土清成氏によると、純粋な軽量化という意味では150キロも軽くなっているそうだが、商品力を上げるため、性能を進化させたり装備を充実させたりした分だけ重量が増え、差し引き80キロの軽量化という結果となったそうだ。新型N-BOXでは軽量化とパワートレインの刷新により、サイズがひと回り小さい「N-WGN」と比べても遜色ないレベルの加速性能を獲得できたという。

シートアレンジとしては、新型で採用となった「助手席スーパースライドシート」が特徴的だ。ホンダは、助手席に乗る母親が後部座席の子供を世話するシーンなどを例示し、助手席を大きく前後に動かせるシートアレンジの利点を説明する。

選べるシートアレンジ

助手席スーパースライドシートを前方に目一杯動かすとこうなる

安全面では、安全運転支援システム「ホンダセンシング(Honda SENSING)」が全タイプで標準装備となる。カメラ、レーダー、センサーを用いたシステムの導入により、新型N-BOXには「衝突軽減ブレーキ」や「誤発進抑制機能」といった機能が加わる。

ホンダセンシングが標準装備に

大幅な刷新も、外見は大きく変えない理由

新たな装備を採用し、部品の約9割を見直しながらも、見た目は初代から大きく変わっていない印象の新型N-BOX。大ヒット商品に育った初代と比べると、性能面で進化した部分は多いのだろうが、初代が築いた地位を引き継いでいくため、奇をてらったような大幅な変化は加えたくないというのがホンダの考えなのだろう。

発表会の会場で話を聞いたホンダの説明員によると、人気のN-BOXをフルモデルチェンジするのは「プレッシャーがあった」そうだ。新型では「N」シリーズからの乗換えを中心に需要を開拓し、引き続き軽自動車トップのポジションを維持していく考えだという。