カムリのメインマーケットはどんな状況か

ご存知の方もいるだろうが、カムリのメインマーケットは日本ではなく北米だ。現地では15年連続で乗用車ベストセラーの座を維持するという、とてつもない記録を打ち立てている。

カムリは米国で15年連続の乗用車ベストセラーとなった(画像は新型カムリ)

ただ注意してほしいのは、米国ではSUVは乗用車ではなく小型トラックのカテゴリーに含まれることだ。そこで、両者の昨年の販売台数をチェックすると、乗用車は約711万台で前年比8.1%のマイナス、小型トラックは1045万台と逆に7.2%のプラスになっている。

たった1つの国で欧州並みの数字を弾き出していることに驚くと同時に、SUVが大幅に伸びていそうな予感を受ける。ところが総合ランキングを見ると、1位はフォード「Fシリーズ」、2位がシボレー「シルバラード」、3位がフィアット・クライスラー(FCA)の「ラム・ピックアップ」と、旧ビッグ3の小型トラックがトップ3を占めている。

4位が乗用車最上位のカムリで、ベスト10内に入っているSUVは7位のホンダ「CR-V」、8位のトヨタ「RAV4」、10位の日産「ローグ」(エクストレイルの兄弟車)だ。CR-VとRAV4は我が国では販売終了となってしまったが、北米では依然として根強い人気を保っている。

ホンダ「CR-V」

モデル末期でも売れていたカムリ

一方、昨年のトヨタ・グループの米国での販売台数は245万台で、「レクサス」などを除いたトヨタ・ブランドで見ると、乗用車が101万台で昨年より9%減少しているのに対し、SUV(ピックアップは含まない)は67万台で同10.6%増になる。

乗用車のベストセラーはもちろんカムリで、モデルチェンジ直前にもかかわらず39万台も売れた。カローラも38万台で肉薄している。SUVトップはRAV4の35万台、次は大型の「ハイランダー」で19万台だ。

米国全体で見ても、トヨタだけで見ても、セダンに代表される乗用車のシェアは落ちており、逆にSUVは伸びている。しかしカムリは、モデル末期の昨年でさえSUVより売れていたわけで、壊滅的な打撃を受けているわけではない。