Rサイエンスクリニック広尾はこのほど、同院院長で医学博士の日比野佐和子氏が赤ワイン レスベラトロールの健康効果をヒトで検証し、赤ワインポリフェノールの健康効果を示したことを明らかにした。

試験に使用された赤ワインエキス末

赤ワインポリフェノールは、動脈硬化系疾患によいことで知られている。今回、試験の対象となったレスベラトロールは赤ワインポリフェノールのひとつだが、健常人で血管の健康効果を検証された例はないという。また、血管の柔らかさについては、疾患者であっても瞬間的な効果だけで、持続的な効果まで検証された例はなかった。

同試験では、健常人に赤ワインエキス末を1日当たり400mg(レスベラトロールとして20mg)と、160mgのオリゴメリックプロアントシアニジンを12週間摂取させ、持続的な健康効果(主に血管柔軟性および脂質代謝)が示されるのかを検証した。

赤ワインの粗原料ブドウ(※イメージ)

その結果、血管の柔らかさの指標であるFMD値において、被験食品群と対照食品(プラセボ)群との間で有意差が認められ、血圧の降下傾向まで示された。FMD値は5.1±2.3%から6.8±2.1%と、摂取前のFMD平均値より約30%増加し、正常値目安の6.0%を超える平均6.8%への改善を示した。

同試験により、12週間の赤ワインエキス末の摂取で、血管柔軟性の持続的な改善効果ならびに血圧の改善傾向が示された。脂質代謝に関しては、被験食品群においてわずかな皮下脂肪の増加抑制傾向が認められたという。

今回の試験では、アルコールが含まれていない赤ワインポリフェノールを使用した。日比野佐和子院長は「これまでも赤ワインの健康効果を雑誌などで紹介してきたが、今回はアルコールを含まない赤ワインポリフェノールで健康効果を示すことができた。アルコールが苦手な人でも毎日赤ワインの健康効果を楽しめると思う」とコメントしている。

同試験の結果をまとめた論文「赤ワインエキス末(レスベラトロール含有)の持続的な血管柔軟性ならびに脂質代謝への効果」は、医学雑誌「新薬と臨牀」(2017年6月10日発行6月号)に掲載されている。