ベネッセ教育総合研究所は6月13日、「中1生の英語学習に関する調査」の結果を発表した。同調査は郵送法による質問紙を送る形で2016年3~4月、中学1年生1,170名を対象に行ったもの。中学1年生の終わりの時点で、実際に「小学校での英語の勉強は中学校で役に立っている」と肯定している比率は53.9%となり、約半数が役に立たないと感じていることが分かった。

「小学校での英語の勉強は中学校で役に立っている」と肯定している比率は53.9%となり、約半数が役に立たないと感じていることが分かった

さらに、小学校英語の役立ちを感じている人と、感じていない人を比較すると、役立ちを感じている人は、「自分や家族や身近な人について英語で紹介する」(感じていない人と13.8ポイント差)、「自分の気持ちや考えを、その場で考えて英語で話す」(感じていない人と16.6ポイント差)といった経験を中学校での授業でしていることが分かった。

「自分や家族や身近な人について英語で紹介する」「自分の気持ちや考えを、その場で考えて英語で話す」に大きな差

同研究所は「役立ちを感じている中1生ほど、授業では英語で『聞く』『話す』活動を多く行っていました。これは『聞く』『話す』活動が中心の小学校英語と同様に、中学校でも『聞く』『話す』活動が多く行われることによって、小中学校の学びのつながりを感じやすいことを表していると考えられます」とコメントしている。

また、「英語で話している人の気持ちや考えを理解しようとする」「聞いた内容がわからないときは、聞き返したり質問したりする」「お互いの気持ちや考えを伝え合おうとする」といったコミュニケーションに対する意欲は、小学校英語に役立ちを感じている中1生の方が、役立ちを感じていない中1生よりも高かった。

「英語で話している人の気持ちや考えを理解しようとする」「聞いた内容がわからないときは、聞き返したり質問したりする」「お互いの気持ちや考えを伝え合おうとする」で差があった