WhatzMoneyは6月5日、2017年6月実行分のローン金利状況を独自調査した「WhatzMoney 住宅ローンレポート」を発表した。

今後は「さほどの変動はない」

主要75行の住宅ローン金利動向をみると、10年固定金利型の平均金利は前月末比0.003ポイント上昇の1.017%と、5月に続いて若干上昇した。基準となる10年国債金利が0.05%程度に上昇したことを受け、大手銀行やネット銀行を中心に金利を引き上げた一方、いくつかの地方銀行は競争力確保のために金利を引き下げており、平均金利では若干の上昇にとどまったという。

10年固定金利型 金利引き上げ行(主要75行中)

変動金利型の平均金利は同0.033ポイント低下の0.444%と、やや下落。基準金利にほとんど変動はみられなかったが、一部の銀行が競争力確保のために金利を引き下げたことが影響したと考えられる。

フラット35の最低金利は、基準となる長期金利が前月比上昇したため、返済期間20年以下のプラン、返済期間21年以上35年以下プランともに0.03ポイント上昇した。

主要銀行全プランの最低金利は前月から横ばいの0.270%。同社によると、「比較的短期間の固定金利選択型住宅ローンを中心に低金利プランが継続」しているという。

今後の見通しについては、米連邦準備制度理事会(FRB)は6月の利上げを示唆しているものの、予定通りの利上げにとどまる見込みであるため、「金利市場に与える影響は限定的」と予測。これにより、米国の利上げが日本の住宅ローン金利に与える影響も限定的なものとなることから、「予想外のイベントがなければ、来月の金利もさほどの変動はない」と予想している。