ベイブを真似て身振り手振り大きく演技する花澤

全力の演技で収録後は"屍"状態

――現時点で工夫している点はありますか。

朝ごはんはとびきり甘いものを食べていきます。糖分と炭水化物をちゃんと摂ってから(アフレコに)行くようにしてますね。こういう役をやっていると汗だくにもなりますし、お腹が空いてきちゃうんですよね。

――先程のアフレコでは身振り手振りも大きかったですものね。

多分、普段のアフレコでも自然にやっていると思うんですけど、今回は特にベイブがやるような動きを真似した方が(役が)出てきやすいというのもあって、こうしてやっちゃうんですよね(とベイブのように大げさな手振りを示す)。

――それだけパワフルに演技されていると、収録後はやはりどっと疲れてしまんでしょうか。それか、役のまま元気に外に出て行くような感じなのでしょうか。

全力で取り組んでいるので、屍のようになっています(笑)。移動時間で回復しますね。

――なるほど。それでは、ストーリーの面白みはどんなところにありますか。

どういうゲームを作っていくのかという企画をベイブたちがどんどん進めていくところも面白いですし、会社がどうなっていくのか見届けるのも楽しいと思います。"ゲームシェイカーズ"の周りに面白いキャラがたくさん出て来るんですよ。誰一人として薄い人物がいなくて、毎回新しい面白い人がやってくるところが見どころですね。

――ゲーム会社と言えば、ご自身は普段ゲームはやられますか。

もう…ゲームのセンスがないんですよ! すぐ死んでゲームオーバーになっちゃいます(笑)。なので、他の人のプレイを観ている方が楽しいタイプですね。

――そんな中でも今まで夢中になったゲームと言うと?

『ぷよぷよ』ですね。それと『ポケモン』に『桃鉄』。運でもいけちゃう感じのゲームを楽しんでいました。

知識だけでなく色々な体験を…「常に心動かしていたい」

――なるほど(笑)。それでは、『Rの法則』に出演された感想をお聞かせ下さい。

10代に向けて作られている番組で、その10代の子たちに声優を目指してる方が多いという話から声優特集になって。声優体験をR's*の皆がしているのを見ていて「私もこういうのやってきたな」とか「今はこういうレッスンがあるんだ!」とか発見がたくさんあって面白かったです。

*R's:10代の番組レギュラーメンバー。さまざまなテーマを調査、体験していく。

――司会のTOKIO・山口(達也)さんたちと絡んだ印象はどうでした?

番組の雰囲気が良すぎて、とっても居心地が良くて、「これはずっと山口さんが作られてきた空気なんだろうな」と強く思いました。あとは、おかずクラブの御二人がベイブのセリフをアフレコする場面がもう面白すぎて(笑)。「ああこういうやり方もあるんだ!」と思って楽しませていただいちゃいました。

――声優を目指す10代の子たちにもしアドバイスをするとしたらどんなことを伝えたいですか。

まず、私も先輩から「常に心を動かしていた方が良いよ」とアドバイスをいただいたことが印象に残っていることとしてあるんですね。一つは、お芝居でちゃんとキャラと一緒に心を動かして演技をすることだと思うんです。もう一つは、自分で刺激的なことを探しに行って心動かされる体験をたくさんしておいた方が、芝居に良い影響を与えるんじゃないかということですね。なので、その心を動かすということはとても気にしています。(声優は)どうしても続けていくのが難しいお仕事だと思うんですよ。自分の心の動くものを探しに行って、自分自身もそれに影響されてどんどん変わっていく…「変化していかないと」と思っています。それと繋がるんですけど、多分どんなお仕事をするにも、知識だけじゃなく心動かされる色んな体験をしていたらきっと将来役に立つ…かしらと思います。

今後は大人のドラマにも挑戦!?

――それでは花澤さん、最近は何に心動かされましたか?

『ラ・ラ・ランド』(17年)です! もう私、踊りながら帰りましたもん。

――やはり何か作品を観て心動かされることが多いですか。

お休みの日だったら、映画を観たり生のものを観たりできるんですけど、お仕事している中でも、「この人すごく優しいなぁ」とか「こういう気の利き方、私もしていきたいなぁ」とか人とのやり取りの中での感動もまたたくさんあるので、本当に色んなところからという感じですね。

――最後に、今後海外ドラマでこういう作品でこういう役をやってみたいというのはありますか。

今回はドタバタコメディなので、『アリー□my ラブ』(□はハートマーク)みたいな大人のドラマもやってみたいです。果たして私の声に合うのだろうかというのもあると思いますけど(笑)。

■プロフィール
花澤香菜
1989年2月25日生まれ。東京都出身。幼少時より子役として活動し、2003年にTVアニメ『LAST EXILE』で声優としての活動をスタート。2009年に『化物語』(『〈物語〉シリーズ』)の千石撫子役に抜てきされ活動の幅を広げながら、2012年からはシンガーとしてもデビュー。ROUND TABLE・北川勝利や元Cymbalsの沖井礼二や矢野博康、カジヒデキといった"渋谷系"のアーティストから楽曲の提供を受け、精力的に活動する。近年に担当してきた主な役どころとして、『てーきゅう』シリーズの板東まりも、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズの常守朱、『凪のあすから』(2013年)の向井戸まなか、『3月のライオン』(2016~17年)の川本ひなた、『夜は短し歩けよ乙女』(2017年)の黒髪の乙女などがある。本作では、"ゲームシェイカーズ"のリーダー的存在・ベイブの役で海外ドラマの吹き替えに初挑戦する。

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