親しい友人とでも、なかなか本音では話しにくいのがお金のこと。各種調査も質問が漠然としていたり、分析方法が大まかだったりと、みんなの実情を知るのは難しいもの。そんな中で、30代・40代に限定した金銭感覚に対する調査データが公表されました。子供の年齢など細かく分類された結果からは、リアルな現実が見えてきます。

共働きを希望するも、現実は難しい?!

SMBCコンシューマーファイナンスが2017年1月に、インターネットを使って全国で実施した調査結果が「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2017」として公表されました。多くの質問項目がありますが、中でも30代・40代のお金事情の現実を象徴するような、興味深いデータをピックアップしてご紹介しましょう。

結婚後の世帯収入を大きく左右するのが、共働きか片働きかということ。未婚者にはどちらを希望するか、既婚者には現在の状況を聞いた結果が下図です。

夫婦の働き方、理想は?

理想と現実は大きく違うことが、調査結果にはっきり表れました。未婚者は約66%が共働きを希望しているのに対し、現実は平均で約46%。子供のいる既婚者は約43%、末子が未就学児までの人に至っては35%しか共働きはいません。末子が中学生以上になると50%を超えますが、小学生までは未婚時の理想の3分の2程度。

家計のことだけを考えたら、子供の成長とともにもっと共働きは増えていてもおかしくないはずですから、家事や育児と仕事を両立させるのは難しいと考える人が多いことがわかります。

やっぱり厳しい! 既婚者のお金事情

次に、貯蓄額やおこづかいといった、具体的なお金事情を見てみましょう。

家族形成別では、予想通り子供のいない既婚者が最も貯められています。意外に貯められていないのが未婚者。シングル生活を楽しんでいるのでしょうが未婚者こそしっかり貯めておかないと、将来、結婚したら晩産による教育費破産、おひとりさまのままだったら下流老人になりかねません。

年齢別に見ると、貯蓄をするのが難しい40代の現実も見えてきます。30代後半までは順調に増える貯蓄額が40代になると横ばいに。子供の成長や住宅購入などライフイベントが重なる時期は貯蓄が難しいといわれますが、それを裏付けている結果となっています。

現在、貯蓄できてている額は?

毎月自由に使えるお金=おこづかいも、子供のいる既婚者は未婚者の約62%、子供のいない既婚者の約67%と自由度はかなり低いということがわかりました。年代別にみると30代より40代と年齢を重ねるごとに増えていますが、具体的に既婚者が自由に使えるお金を未婚者と比べると30代は約63%、40代は約72%と大きく差があります。

また子供の成長段階別でみると、保育料などがかかる乳児~未就学児、高校受験を控えた中学生の時期の親は自身のおこづかいを控えていることも見えてきます。

毎月自由に使えるお金は?

男性は趣味、女性はファッションや美容にお金をかけ過ぎ?!

最後に、結婚を決める際はもちろん、結婚生活を続けていく上でも重要な男女(夫婦)間の金銭感覚のズレについて見てみましょう。

男女で結果が大きく異なったのが「趣味へのお金のかけ方」と「ファッションや美容へのお金のかけ方」。妻は趣味のために高額な出費をする夫に、夫はファッションや美容にお金をかける妻に不満を抱いている多くの夫婦の様子が見えてきます。

男性のみにランクインしているのが「子育て・教育へのお金のかけ方」、女性のみが「ローンに対する意識の違い」。ここからは、子供をお稽古ごとや塾へ通わせることに熱心な妻、住宅購入などのローン設定に楽観的な夫との意識の違いを感じていることもうかがえます。

夫婦間の金銭感覚にズレはある?

参考になるデータ、自分の現状に納得できるデータはありましたか? これからのマネープラン作りの参考にしてください。


鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。