2種類のサービスを検証

実証実験で使用するのは、日産自動車の小型商用電気自動車「e-NV200」だ。日産とDeNAは2017年1月、自動運転分野での提携を発表している。日産が自動運転車両を提供し、DeNAが新たな交通サービスのプラットフォームを開発するという内容で、2017年に日産の自動運転車両を用いた実証実験を日本国内で開始するとアナウンスしていた。ロボネコヤマトもその1つと見てよいだろう。

車内には保管ボックスが設置してあり、ドライバーは荷物の発送・受け取りには関与せず、配達を頼んだユーザーが自分で荷物を取り出す。つまり走る宅配ボックスだ。スマートフォンで荷物を受け取る場所と時間帯を指定できる「ロボネコデリバリー」と、地元商店の商品をネット上で一括購入して運んでもらう「ロボネコストア」の2種類のサービスを利用できる。

スマホで「ロボネコストア」を利用している画面。左の写真のように、受け取り場所を指定することができる

実証実験の対象エリアは、藤沢市鵠沼海岸1~7丁目、辻堂東海岸1~4丁目、本鵠沼1~5丁目。藤沢市の中でも海に近い地域だ。DeNAは昨年、自動運転技術開発企業ZMPとの合弁事業である「ロボットタクシー」の実証実験をここで行っている。その後も藤沢市とのつながりは続いていたのだろう。

今年1月、DeNAは日産との提携発表と同時に、ZMPとの提携を解消することを発表している。日本人から見ると冷徹な判断だと思うかもしれないが、パートナーを次々に変えつつ、多方面に進出するのはグーグルやインテルも行っていることで、これがIT流と言えるかもしれない。