美容や健康に意識の高い人なら、ファスティングというフレーズを一度は耳にしたことがあるだろう。最近は、ファスティング用のクレンズジュースが販売されるなど、以前に比べて挑戦しやすくなった。ただ、ジュースだけで数日過ごすのは気力もいるし、正しい知識がないまま安易にファスティングすると危険をともなう場合も。

体内をデトックスする食材とメニューを紹介

そこで、「おいしく食べてファスティング」を提案する「delifas!(デリファス)」の主宰である管理栄養士の板橋里麻さんに、デトックスを促し体内をきれいにする食材とメニューを教えてもらった。

ファスティングの本当の意味とは

そもそもファスティング(fasting)とは、「断食」「精進」という意味。本来、食事は生きるために必要な栄養素を得るのに不可欠なものだ。ところが、暴飲暴食や偏った食事などの不摂生が続くと、内蔵の疲労や腸内環境の悪化、代謝酵素の不足、毒素の蓄積などが生じ、体の機能低下につながる。

「それにより心身疲労、肥満、老化、肌荒れなどに陥ることも。そうならないよう、体内環境の改善を目的に行うのがファスティングなのです」

ただ、市販されているクレンズジュースなどでファスティングに挑戦する場合、高血糖や低血糖といった症状に悩まされている人や、糖尿病患者は止めた方がよいという。

「特別病気ではない方でも頭痛、めまい、吐き気などの好転反応や不調が出る場合が多くあります。その場合にどう対処したらよいかわからないと、健康のためにやったつもりが逆に体調不良を起こすことに。できるだけ、専門家などのもとで実行することをお勧めします」

まずはファスティングの大きな目的であるデトックスを促す食材を、日常の食事に積極的に取り入れることから始めてみるといいだろう。

デトックスを促す食材で体内からきれいになろう

デトックスを促す食材で体内をスッキリ

デトックスを促す食材の一例は以下の通りだ。

肝機能を高め、デトックスを促す食材

肝臓は毒素を無害化して解毒を行う器官。肝機能が低下すると毒素の溜まりやすい体になる。

ブロッコリー、カリフラワー、ほうれん草、ケール、菜の花、ルッコラ、 キャベツ、芽キャベツ、イカ、タコ、エビ、牡蠣、貝類、ターメリック

腸内環境を整えて、デトックスを促す食材

体に蓄積された毒素の約7割が便となって体外に排出されるため、腸内環境を整えることはデトックスへの近道と言える。以下の食材を選んだり調理したりする際は、農薬や添加物(化学調味料、甘味料)など、蓄積することで体に害を与える可能性のあるものは含まないようにするのがベター。

発酵食品、根菜類、キノコ、海藻類、果物

肝機能アップ&腸内改善を促すマリネ

板橋さんは今回、デトックスと関わりの深い肝機能を高める「イソチオシアネート」が豊富なカリフラワーと、たっぷりの食物繊維で腸内環境を改善してくれるキノコを用いたデトックスメニューを紹介してくれた。マリネ液に使用した酢も腸内環境を改善してくれる。作り置きしておくと常備食になり、便利な一品だ。

カリフラワーときのこのマリネ

見た目も鮮やかなカリフラワーときのこのマリネ

材料(2人分)

カリフラワー 1/2株 / えのき 1/2束(100g程度) / しめじ 1/2袋(100g程度) / マッシュルーム 5個 / にんにく 1かけ / オレガノ 少々 / オリーブオイル 大さじ2 / 酢 50cc / みりん 100cc / 塩 小さじ1

つくり方

1. カリフラワーは一口大に切り、えのきは5cm程度の長さに、マッシュルームは1/4に切る。しめじは石づきを切り、細かく裂く。にんにくはみじん切りにする。

2.小鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、にんにくの香りが立ってきたらカリフラワー、1のきのこ、オレガノ、塩を加えて炒める。

3.酢、みりんを加え一煮立ちさせたら火を止める。

きのこ類は好みで種類をアレンジしてもよい。きのこの代わりに肝機能を高め、デトックスを促すえびを加えてもおいしいマリネになる。温かいうちに食べてもおいしいが、保存容器に入れておけばしっかり味がしみる。冷蔵庫で1週間程度は日持ちするので、時間があるときに作りおきしておくといいだろう。

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