――このコーナーを担当されて、もう半年以上が経過しましたね。
最初は「絶景遺産」のVTRで、サンドウィッチマンの伊達さんという人…知ってると思うんですけど(笑)、その方がツッコんでくれたんですけど、それが初めてのナレーションでした。最初は、まず映像に追いつくのも追いつけないし、どんどんページは変わっていくし、すごいやりにくいなぁと…そう思ったのが始まりでした。
――そこから経験を重ねて、だいぶ慣れてきましたか?
慣れはしないですね。やっぱり毎回毎回違うお題を出してくるし、難しいなぁ難しいなぁと思ったりするんですけど、あと、目で見てても例えないと人に伝わらないこともあるし、おいしそうって思われないかもしれないじゃないですか。そこは結構、今ぶち当たっている壁ですね。カッコ良く言っていいのなら。
――分かりやすく例えて伝えなければいけないし、でも断定はできないし…いろいろ条件があって大変ですね。
そうなんですよ。断定はしたくないから、画面が「天丼」って説明してるから「天丼」とは言うけど、私はまだそこは信じてないっていうか、もしかしたら、衣の中が違うかもしれないしとか、結構考えちゃいます。まぁ出来上がりを見せられたら、こっちも負けなんですけど、作り方においては、やっぱり「本当にこれは油を使ってるのか」みたいな話になってきちゃうので、私はそこは折れたくないんです。
――滝沢さんのナレーションは非常に好評ですが、周囲の反応はいかがですか?
本当にもう「それしか見てないのか?」って言いたくなるくらい(笑)、街では「『全力!脱力タイムズ』見てますよ」って声をかけられます。共演者さんでも、私のことなんか知らないだろうし、私もそこまで知らないよっていうくらいの人にも「『全力!脱力タイムズ』本当に面白いね」って言われます。
――すごい反響ですね!
インスタグラムのコメントでも、自分が出てない週だと、「今日は出ないんですか?」っていうのが一番多いです。毎週金曜日になると、みんな結構騒ぎ出すっていう(笑)
――ファンの方がみんな楽しみにしてるんですね。
うれしかったです。投稿してもほとんど触れられないことがたまにあるんですけど(笑)、これは放送したら絶対みんなが反応してくれるんです。友達とのLINEも「今日カレンじゃないんだ」ってわざわざ送ってくるくらいです。
――それはうれしいですよね。
自分は、しゃべることとか、人に伝えることが、すごい苦手だったんです。苦手なままで、いつか死んじゃうのかなって思ったりもしてて、私はしゃべりがこんなだから、最初はコンプレックスだったんですけど、それも全部なくなったし、結局、今楽しいんです!
――すごくいい仕事にめぐり会ったんですね。
そうなんです! 最初は恥ずかしがって、なるべくしゃべらないようにしようとか思ったけど、それを認めてくれる場所が、やっとここにあったから。以前は小っちゃいところに閉じこもってたけど、「好きにやっていいよ」って言われて、好きなことやっちゃえ!ってなりました。
だから、『脱力タイムズ』には本当に感謝だし、自分がやりたかったことができないっていう人って、いっぱいいるじゃないですか。でもそれを、違うやり方でできるようにしてくれたっていうか、ナレーションって堅苦しい世界だと思ってたんですよ。決められた人しかできないんじゃないかって。でも、それを全部この番組は変えてくれたんです。
――学生時代、国語の授業の朗読などは苦手だったんですか?
そうですね。当てられるのは嫌だったけど、私、本当は前に出るのが好きな人なんで、それの差があったというか、手は挙げるけど、指されたらこっちのもんでもないみたいな話になってきちゃって。前に出たい気持ちはあるので、体育委員の総長みたいな感じになりました。体育委員ならあんまりしゃべらなくていいけど目立てるし、動けるし。だから学級委員になりたかったけど、あえて体育委員の一番トップを目指してた人です。
――それが大人になって、しゃべりでも目立てるようになったんですね。
「もうどうでもいいじゃん。それも個性だよ」って言ってくれる人がいるんで。
――そしたら、ファンのためにも、他のナレーター陣をはね退けて、頑張っていかないといけませんね。
でも、あの方々も頑張ってるんで(笑)
――上から目線ですね(笑)
いや、本当にすごい方々なので、何も言いたいことはないですけど(笑)
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きょう21日の放送では、観月ありさと麒麟の川島明をゲストに迎え、侵入生物専門家の五箇公一氏、教育学者の齋藤孝氏、映画専門家のコトブキツカサ氏が全力解説員として出演。滝沢カレンは、絶品のカレーうどんを紹介する。 |
――お仕事も順調で、メイベリン ニューヨークのブランドアンバサダーに就任されました。
そうなんです! コラボさせてもらって…コラボも何も私が選ばれたんですけど(笑)
――今後、ナレーションや実況してみたいことはどんなことですか?
私は結構、冒険とか探検をして生きてきた人なんで…
――そうなんですか!?
はい(笑)。小さい頃から1人で行ったこともない場所とか道を探検とか冒険して生きてくのが好きで、やっぱり「冒険」とか「探検」っていう言葉に、私は一番魅力を感じてるんです。だから、街並みの「なんだこのビルのやり方…」とかあるじゃないですか。そういうこともいつか話してみたいと思うし、自分ならではの目をつけてるところがきっとあるじゃないですか、人はそれぞれこんだけいるから。だから、それをやりたいです。
――いつかスタジオで、有田さんとのトークもいかがですか?
いやぁ…怖いですね、それは。でも、まだまだ私はツッコミ担当じゃないんで。
――番宣で来る女優さんの枠じゃなくて、ツッコミ担当の芸人さんの枠を考えているんですか!?
あっそっか! まぁそこは女優でもないし、告知することも特に無いので、この位置で全然ありがたいです(笑)
●滝沢 カレン(たきざわ・かれん)
1992年5月13日生まれ、東京都出身。2008年に雑誌『Seventeen』でモデルとしての活動を始め、現在は雑誌『JJ』で専属モデルを務める。最近ではバラエティ番組でも活躍し、2016年からフジテレビ系『全力!脱力タイムズ』で、「THE絶景遺産」「THE美食遺産」のナレーションを不定期で担当。