車両制御にいきるランエボの知見

メカニズムにおいて、同クラスのSUVに対するアピールポイントになるのがドライブトレインになるはずだ。4WDには「ランサーエボリューション(ランエボ)」などで経験を積んだ電子制御の車両運動統合制御システム「スーパー・オール・ホイール・コントロール(S-AWC)」を採用しているからである。

「4WDにS-AWCを標準装備するかどうかは、議論になりました。しかし、三菱のブランドイメージを反映させるため、装着することにしました。メカニズムの内容はランサーエボリューションの時とは違い、電子制御4WDにブレーキ制御を用いたアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)を組み合わせた内容となっていますが、エボリューションなどの経験もいかされています」

さらにエクリプス クロスは、走りの基本となるボディも鍛え上げている。フロントサスペンション部分は3点式のストラットタワーバーで補強し、ボディ組み立てには溶接に加え、リアまわりを中心に接着剤を併用することで、高剛性ボディを実現し、信頼できるハンドリングをものにしているという。

日本での発売も待たれる仕上がり

実車を見て、話を聞いて感じたのは、エクリプス クロスには三菱らしさがあふれているということだ。同クラスのSUVは、この半年間でトヨタ自動車、マツダ、スバルの3ブランドが新型車を送り込むなど激戦区になっている。でも、エクリプス クロスは競合車に負けない個性を持ち合わせていると感じられた。

トヨタ「C-HR」、マツダ「CX-5」、スバル「XV」など、新顔が続々と登場するSUV市場。エクリプス クロスは輝けるか

販売はまず欧州からスタートするそうで、日本では2017年秋の東京モーターショーで具体的なアナウンスがあるようだが、個人的には今すぐ発売してもイケそうな魅力が詰まったSUVだと思った。