看板商品である「UMAMI BURGER」は、うま味を引き出したローストトマト、シイタケ、パルメザン、キャラメルオニオンとパテをバンズで挟んだ商品。実売価格は1,380円だ。しかも単品の価格である。同店は特にセット料金を設定しておらず、好きな商品を組み合わせる足し算方式だ。渋谷氏によると、昼は単品メニューの組み合わせで2,500円、夜はドリンクと料理の組み合わせで4,500円という客単価を想定しているそうだ。

看板商品のUMAMI BURGER

飲み物も厳選

BARを意識したカウンターには、飲み物に併せた各種グラスが客を待ちかまえる。飲み物はクラフトビール、ワイン、カクテル、ソフトドリンクの提供を予定。ワインもこだわりのセレクションで、カリフォルニアの赤3種、白2種、そしてスパークリングとロゼ各1種を用意する。クラフトビールもカリフォルニアと日本のビールをほぼ半々で取り揃える考えだ。

カウンターでゆっくり過ごすのも良さそうだ

カリフォルニアのワイン、しかも赤といえば、気候や風土に恵まれた力強い味を想像するが、UMAMI BURGERをいかすワイン、またUMAMI BURGERを打ち負かすくらいのワインも揃えてあるという。味わいの力対決も楽しめる品揃えで、これも楽しみだ。

飲み物で特に興味を引いたのがコーヒーだ。澁谷氏はハンバーガーを丸ごと機械にかけて粉砕し、味の成分を調べたことがあるそうだが、その調査結果をもとに、UMAMI BURGERにフィットするすっきりとした味わいのコーヒーをチョイスしたという。料理の味わいを損ねず、逆に引き立てる名脇役といったところだろうか。

どんな客層を想定?

1号店の立地を青山に決めたUMAMI BURGERは、どのような客層を想定したのだろうか。周辺には多くのライバル店舗があるし、少し奥まった場所にある同店は、ふらっと立ち寄るというよりも、訪問することを決めて足を運ぶ店という印象だ。

ちょっと奥まった場所ではあるが、さすがにしゃれた印象のUMAMI BURGER。表参道駅からは歩いて5分くらいだった

店内を見回してみると、壁面は白を基調とする落ち着いた色調で、レストランというよりはしゃれたBARといった作りとなっている。可動式のテーブルセッティングは、さまざまな人数の来店客に対応可能。また、U字型のBARカウンターは1人で訪れても安心できる。座る場所によって店内の風景(見え方)が変わり、新しい発見が期待できる内装だ。シーンを楽しむといった使い方もできる店だと感じた。

座る場所、見る角度によって、様々な表情を見せる内装

「入りやすい店を目指したい」。そう話す澁谷氏に、どんな客に来てもらいたいかと聞いてみると、答えは「女性のお一人様」だった。確かに、女性客が1人でも入りやすいと感じる店ならば幅広い客層に対応できるだろう。周辺の同業他社はライバルというよりも、業界を共に盛り上げる存在と捉えているという。ターゲットが比較的明確であることや、店舗の作りこみを見る限り、しっかりと地域をリサーチした結果、必然として青山に1号店を構えたことが伺えた。