国土交通省は3月22日、2015年の水害被害額(確報値)が全国で約3,898億円に上ったと発表した。被害額は暫定値(約3,850億円)から約50億円増加し、2006年~2015年の10年間で3番目の大きさとなった。

水害被害額1位は台風18号の被害を受けた茨城県

茨城県常総市の浸水状況(出典:国土交通省Webサイト)

水害被害額の内訳は、一般資産等が約2,212億円、公共土木施設が約1,605億円、公共事業等は約81億円。なお、被害額には、人的損失、交通機関の停止などによる波及被害、被災企業の部品・製品供給機能、本社機能等の損失による他地域の企業への影響等に係るものは含まれていない。

都道府県別の水害被害額上位3県は、1位が茨城県の約1,590億円、2位が栃木県の約660億円、3位が宮城県の約330億円となった。

主な水害の被害状況をみると、2015年9月に発生した台風18号に伴う豪雨は、利根川水系鬼怒川で洪水を引き起こし、関東地方の国管理河川では1986年の利根川水系小貝川以来、29年ぶりに堤防が決壊。茨城県常総市では、鬼怒川から東側のエリアは市役所を含め、ほぼ全域が浸水するとともに、電力や上下水道、鉄道等のライフラインが停止し、8,991棟の浸水被害が発生した。

被災建物棟数は2万6,671棟で、内訳は床下浸水が1万5,136棟、床上浸水が4,672棟、半壊が6,756棟、全壊・流失が107棟。浸水区域面積は2万7,486ヘクタールで、内訳は農地が1万9,809ヘクタール、宅地・その他が7,677ヘクタールとなった。