コンセプトモデルこそなかったものの、大阪モーターサイクルショーにて日本初公開モデルを7台もそろえたのがスズキ。そのうち4台が「V-Strom」シリーズという、アドベンチャーモデルがメインの展示内容となった。
ニューモデル「V-Storm250」に「これはエエで!」の声
「V-Strom」といえば、かつての「TL1000」や「SV600」のVツインエンジンを搭載したオフロード系のモデル。大ヒットしたヨーロッパではともかく、日本ではやや影の薄いモデルであった印象は否めない。ところが、折からのアドベンチャーバイクで状況は一変した。今回のスズキブースは完全に「V-Strom」シリーズが主役だ。
最も注目度が高かったのは、まったくのニューモデルとなる「V-Strom250」。その迫力あるスタイリングに、「これはエエで!」との声も盛んに飛んでいた。
実際、そのボディサイズ、その迫力、そしてその質感の高さは、とても250ccとは思えない。エンジンは「GSR250」や「GSX250R」に搭載されるパラレルツインだが、中低速を重視した専用のチューニングになっているという。エンジンがVツインじゃない……と野暮を言うのはやめておこう。
他に国内初公開となった「V-Strom」シリーズは、「V-Strom1000 XT」「V-Strom650 ABS」「V-Strom650 XT ABS」の3台。いずれも単眼で、650ccの2台は従来モデルから一変して「V-Strom1000」と共通イメージとなった。それは「V-Strom250」も同じで、あのくちばしが「V-Strom」シリーズ共通のアイデンティティとなったといえる。
「GSX」シリーズの人気は健在、「GSX250R」に熱視線
スズキといえばやはり「GSX」シリーズ。今回は参考出品として「GSX-S750」「GSX-S125」「GSX-R1000R」の3台が展示された。しかし、会場で人気が高かったのは、またがれる車両が用意された発売直前の「GSX250R」だ。文句の付けようのないスタイリングを入念にチェックする人も多く、期待値はかなり高いといえそうだ。
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もうひとつ、注目すべきは「GSX-S125」。小排気量ながらも水冷DOHC4バルブで新設計されたハイパワーエンジンと、クラス最軽量のボディの組み合わせで本格的な走りを期待できる。125ccクラスといえば、バイクファンの間では「普通免許で運転できるようになるのではないか」との噂が絶えない。今回、筋違いかもしれないが「GSX-S125」に関連した話としてスズキのスタッフに聞いてみた。
もしかしたら……の思いもむなしく、普通免許での運転について具体的な動きは一切ないという。ただ、小型限定二輪免許の自動車学校での取得を簡易にする方向での改善は、それなりに話が具体化しているようだ。こうした改善と「GSX-S125」のような魅力的なモデルの日本発売があれば、世界的に大人気クラスでありながら、日本のみ空白地帯となっていた125ssクラスに激変が起きるかもしれない。