タバコが購入しやすい日本について、外国人はどのように思っているのだろうか

先進国の中では、日本はタバコに対して寛容な国と言えるだろう。主要銘柄の多くは400円台で購入でき、自動販売機やコンビニエンスストアで手軽に買える。タバコを吸わない人でも、日々の生活でタバコを見かけるシーンに幾度となく遭遇しているはずだ。

ただ、例えば自動販売機は日本ではあぶれている一方、海外ではほとんど見かけない国も多い。もしかすると、タバコが自販機で購入できる日本の「タバコ事情」は、外国人からみればかなり特殊なのかもしれない。

そこで今回は、日本在住の外国人20人に「日本人のタバコ事情」について質問し、母国と比較した意見も聞いてみたので紹介しよう。

Q.日本のコンビニエンスストアや自動販売機でタバコが簡単に買えることをどう思いますか。

問題があると考える

・「大人には便利だけど、自動販売機の場合は子供でも買えそうなため、問題だと思います。母国にはたばこの自動販売機が1台もないと思います。コンビニはどの店でも売っているのが当たり前のことだと思われます」(ブラジル/40代前半/男性)
・「インドでも同様に買えるが、学生でも購入できてしまうためよくない」(インド/30代後半/女性)
・「反対です。子供の前にタバコを置くとか、タバコは大人がみんな吸う物だと思わせるのはよくないと思っております」(アメリカ/20代後半/男性)
・「全体的に簡単に買えることを禁止するべきです。母国でも簡単に買えるので、あまりよくないです」(ギリシャ/30代後半/男性)
・「よくない。インドネシアの一般のコンビニでも簡単に購入できる」(インドネシア/30代前半/男性)
・「簡単に入手できるのは危険だと思う。コンビニについては、日本と台湾はほぼ同じで、店員に判断を委ねている。台湾では自動販売機でタバコは買えない」(台湾/20代後半/男性)
・「禁煙場所が増えているにもかかわらず、簡単に買えるため、それほど厳しく規制していない証拠だと思います」(モンゴル/40代前半/女性)
・「タバコを簡単に買えることに反対です。自国では基本的に日本よりもタバコが簡単に買えることができ、子供でもタバコを買えてしまいます」(モロッコ/30代前半/男性)

特に問題ないのでは?

・「年齢制限さえあれば問題ありません。母国も同じです」(トルコ/30代後半/男性)
・「タバコを買う・吸うことは自己責任だから、別にどんな売り方でも構わない。 でも、日本には公の場における禁煙ルールを改善させるよう、努力してほしい。特にレストランとかは禁煙にしてほしい。タイでは自販機はないけど、コンビニで買える。一応、警告のためにタバコの箱にタバコで病気になった人の怖い写真が載っているが、喫煙者は気にしない」(タイ/30代前半/女性)
・「日本では自動販売機で買おうとすると専用のカードが必要となるので、買いにくいと思います」(フランス/30代前半/女性)

各国の事情

・「母国にはタバコの自販機はない。コンビニでは、身分証明書があれば購入できる。最近はかなり厳しくなり、道を行く大人に買ってほしいとお願いする未成年もいる。そもそも最近は屋内では全面禁煙が実施されるなど、タバコへの風当たりが強くなってる」(韓国/30代前半/女性)
・「たばこの自販機は多少はあります。でも日本ほど多くありません」(ドイツ/40代後半/女性)
・「イタリアではたばこの自販機は存在しないですが、日本ほど購入の取り締まりが厳しくない(厳密にいうと、厳しく執行されていない)ので割と手に入れやすいです」(イタリア/30代前半/男性)
・「母国でも購入できると思いますが、日本と同じようにタバコカードのtaspoもあったほうがよい」(エジプト/30代前半/男性)

■総評

結果は、およそ半数が日本のタバコ事情を問題視しているというものになった。子どもを含めた未成年の目に触れやすくなっている点に疑問を抱いている外国人が複数おり、日本同様にタバコが購入しやすい状況にある母国を嘆く人もいた。

厚生労働省は3月1日、受動喫煙防止対策の強化に向け、「飲食店は原則禁煙」とする健康増進法改正案の骨子を発表した。違反を繰り返し、都道府県知事らの指示や勧告などに従わない場合は、喫煙した本人と施設管理者に過料を科すことも盛り込まれているが、各方面からは反発の声が相次いでいる。

今後、日本の愛煙家を取り巻く環境がどう変わっていくのか――。日本人のみならず、外国人も注目しているのかもしれない。

※写真と本文は関係ありません

調査時期: 2017年1月23日~2017年2月28日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート