レクサスは7日、ジュネーブモーターショーにてフラッグシップセダン「LS500h」を世界初公開したと発表した。デトロイトモーターショーで発表した「LS500」のハイブリッドモデルで、新世代のマルチステージハイブリッドシステムを搭載する。

レクサス「LS500h」(欧州仕様)

「LS500h」ではV型6気筒3.5リットルマルチステージハイブリッドシステムを採用。2つのモーターを使用したレクサスのハイブリッドシステムに、有段ギアの自動変速機構を組み合わせることで、エンジン・モーター両方の出力制御を可能としている。エンジンの最高出力は300PS、システム全体では359PSのハイパワーを発揮する。

エンジンの高回転化と合わせて、低速域ではエンジン使用領域を高回転側に拡大し、低速から力強い駆動力を生み出してパワフルな走りを実現した。低速域から高速域までシステム効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで、燃費性能に優れた快適なクルージング走行も実現している。

「LS500」と同様のVDIM(ヴィークル ダイナミクス インテグレーテッド マネジメント)も採用。VGRS(ヴァリアブル ギア レート ステアリング)、EPS(エレクトリック パワーステアリング)、DRS(ダイナミック リアステアリング)を統合制御するレクサスダイナミックハンドリングシステムに、アクティブスタビライザーやAVS(アダプティブ ヴァリアブル サスペンション システム)を協調制御することで、車両のロールや上下運動の制御を可能とした。

安全面では、最先端の予防安全パッケージを初搭載。車両への追突、対歩行者、走路逸脱、交差点(出会い頭衝突)という深刻な事故につながる4つの事故形態をカバーする。危険な状態に近づく前の「注意喚起」領域でのドライバーへの情報提供から、衝突回避の領域における自動操舵を利用した「操舵回避」まで、事故の防止を支援する。

自動操舵で衝突回避支援するプリクラッシュセーフティは世界初採用とされ、進行方向に歩行者が飛び出してきた場合に、車両前方のカメラで衝突の可能性を検知。大型HUD(ヘッドアップディスプレイ)への表示により、従来の警報より早いタイミングからドライバーを危険な状態に近づけないよう注意喚起する。カメラとミリ波レーダーの情報にもとづき、自動でブレーキをかけ、ブレーキだけで回避できないとシステムが判断した場合、車線内の回避スペースを見つけて自動的に操舵制御し、歩行者との衝突回避を支援する。