このほかに目のかゆみを伴う病気としては、ものもらいドライアイがあるという。

「ものもらいのでき始めを『痛がゆい』と表現して来院される患者さんもいらっしゃいます。また、ドライアイで目がかゆくなる理屈は皮膚と一緒で、目も乾燥するとかゆくなるからです」

ただし、目がかゆいからといって必要以上に目をこするのはNG。かきすぎるとその部分は炎症を起こしやすいが、炎症は菌を招きやすい。結果として細菌感染につながったり、場合によっては結膜浮腫や白内障、さらには網膜はく離を引き起こしたりする可能性もありうるという。

白内障になると視界が暗くなったり、物が白っぽくかすんで見えたりする。網膜はく離になると急激に視力が低下し、最悪の場合は失明に至る。いずれの病気もQOL(生活の質)を大きく低下させる。目をこすり続けるとこういった疾患を招く危険があると知っておくだけでも、かゆみに対する意識は違ってくるはずだ。

来院のついでにかゆみ用の薬を処方してもらう

とはいえ、目のかゆみが気になれば当然、仕事にも差し支えが出る。目をこすることなく、かゆみを抑えるための策が必要になってくるわけだが、そのためのキーワードは「冷やす」だ。

「かゆみを抑えるには目を冷やすことが有効です。冷蔵庫で冷やした市販の目薬をさしてもいいですし、冷えたタオルを目の上に置くのもいいですね。あとは涙に近い性質を持つ人工涙液で目を洗い流すのもおすすめです」

目薬は市販の物でも医師処方の物でもいいが、効果は後者の方が見込めることが多い。さらに薬単体の値段でみれば、処方薬は市販薬に決して引けをとらず、むしろ安いケースも。そのため、眼科で受診した際に処方薬をもらうやり方がベター。

例えば、コンタクトユーザーで花粉症に悩んでいるという人ならば、コンタクトの定期検診で眼科を訪れるタイミングで点眼薬をもらうと無駄がないと言える。

「スギ花粉による目のかゆみを減らしたいのであれば、2月の初旬に初期治療をしておくのが賢い対策です。また、アレルギー症状を緩和できる『舌下免疫療法』も効果が見込めます。これはスギなどの抗原エキスを舌の下側(舌下)に滴下し、一定時間その状態を保った後で飲み込むことで、体を抗原に慣れさせていくという治療法です。治療を始めて半年から1年ぐらいで効果が出る人もいますが、花粉のシーズン中にはできません。もし症状が軽くなったり治ったりすれば、QOLがかなり改善されるはずです」

我慢できないほどのスギ花粉由来の目のかゆみに悩まされているのであれば、花粉飛散が落ち着く6月以降から舌下免疫療法を始めてみるのも選択肢の一つ。不要なリスクを避けるため、くれぐれも目をかきすぎることがないようにしよう。

※写真と本文は関係ありません


記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。