新しい1年も、くすサポと一緒に"遊び"たい

ここで、この日初の"楠田亜衣奈"としてのMC。「無事に、レベル28になりました!」と報告する彼女を、会場中からの大歓声が包む。しかし「でも、まだまだいけるよね?」とさらなる歓声を望む楠田。それは、次曲が「お姫様と言ったらこの曲でしょ?」との紹介から歌われたキラーチューン「ラブリージーニアス」であれば、それも当然なのかもしれない。しかし振付講座も一切なく客席のフリが一発でビシッと揃ったり、いきなり委ねられたBメロを一体となって合唱したりと、改めてくすサポの団結力の強さの表れた1曲に。それを受けた楠田は、衣装も相まってかわいくておてんばなお姫様そのもので、うれしさ余って客席に思いっっきりの投げキッスもプレゼント。

そんな彼女が本編のラストナンバーに選んだのは、自ら作詞を手がけた、くすサポとの思い出も織り込んだ「Anniversary」。一瞬声を飛ばしてしまうほどに想いを込めた、1コーラス目の「君のことが大好き」を筆頭に、笑顔で心のなかに沸き上がる感謝を伝えていく楠田。大サビ前では城の階段中央に移動し、くすサポみんなから見えるように、みんなを見れるように大事に大サビに想いを乗せ、本編をきれいに閉じていった。

すかさず起こる、アンコールの「くーっすん!」コール。その声に応えて登場した彼女がまず歌うのは、はじまりの曲「First Sweet Wave」。「Anniversary」での、はじまりの場所での再会の約束を果たすかのように元気いっぱいに再登場した彼女は、アンコールならではの吹っ切れたような笑顔でステージを展開していく。

曲明けには、前半の"BIRTHDAY QUEST"をともに作り上げた共演者を呼び込む……ところで楠田へサプライズ! ウイカが、楠田を模したキャラ"くすくすちゃん"の乗ったバースデーケーキを運んで登場。思わず「段取りが違うー!」と驚き叫んでしまう楠田。華麗にサプライズをキメられたことがちょっぴり悔しかったのか、それとも「ちょっとおいしい」と思ったのか、ケーキのローソクの火を不意に吹き消してしまうおちゃめなひと幕も。再点火ののち、「Happy Birthday」の大合唱とともに、ローソクの火とオレンジに灯された客席のペンライトを"吹き消して"いく楠田。そのままケーキを前に、くすサポをバックにメンバーと記念撮影も行った。

ひとまず落ち着いたところで、改めて各出演者を紹介しここまでのイベントや、今回のオファーの経緯などを振り返っていく楠田。前述のタップダンスのエピソードなどで会場から驚きの声が上がり、褒められると「やっぱりぃ?」と少々照れながらうれしそうな表情を見せる。そんな今回のイベント、タイトルが決まった段階で「ウェルカム・フューチャー」のMVで実現できなかった最初の案"ゲームの世界でレベルアップしていく"という空間を実現させたものであることが明かされる。こちらも前述の通りセットリストを含め大まかな構成を考えたのは楠田自身で、そのプロさ加減ををウイカに褒められまくると、たまらず「営業妨害だよ! いつもふわふわやってるよ!」と照れる姿も。

レベル28のカレンダーが、完成したラストナンバー

と、ここで楠田から、待望の2ndツアーの開催が発表! 今回は会場も6会場へと増え、さらにファイナルは自身初となるホール・中野サンプラザでの開催。どのようなステージが展開されるのか、より期待高まるところだ。続けて「今日は私自身の誕生日と3rdアルバムの発売日と、そしてバースデーイベントと、たくさんのところからお祝いをいただき、とてもうれしいです。ありがとうございます。今日歌ってない3rdアルバムの曲も、ライブツアーで歌えればと思っているので、これからも応援よろしくお願いします!」とのメッセージを語ったのちに歌ったラストナンバーは、その3rdアルバムのリード曲「カレンダーのコイビト」。どこまでも晴れやかな表情で、この日から始まる楠田亜衣奈の新しい1年のカレンダーの表紙を描いていくかのような楠田。また後奏では静かに客席全体を見回す姿からは、そこにZepp Tokyoのくすサポも綴じ込んで、ともに1年を歩んでいこうとするかのような想いも感じられた。最後にお城の階段上で、くすサポと一緒に恒例の「いち、に、さんくっすーん!」コールを敢行。レベル28最初のステージを締めくくっていった。

この日楠田亜衣奈は、新しい1年の始まりにふさわしいエンターテイメントを届けてくれた。しかもそれは、ここまで彼女がどこかで経験してきた事柄の上に、さらに挑戦として積み上げたもの。そのステージからは、これからも彼女らしい速度で着実に前へ徒歩を進めていくのだろう――という期待を持たせられた。 そして、ツアーを発表したときの彼女のひとつの言葉に、くすサポへの想いや関係性が凝縮されていたので最後にご紹介したい。「また、遊んでくれますか?」との独特の問いかけだ。最大限ブラッシュアップしたものを携え、ファンと"一緒に遊ぶ"。この日からめくられ始めた新しいカレンダーにも、その思い出がより多く刻まれていくことだろう。

楠田亜衣奈バースデーイベント「さんくっすんBIRTHDAY～レベル28」セットリスト

M-01 POWER FOR LIFE
M-02 ハルイロレジュメ
M-03 進化系HEROINE
M-04 Snow Breath Celebration
M-05 Heart's cry
M-06 ウェルカム・フューチャー
M-07 まいにち誰かのハッピーデイ?
M-08 JUMP UP
M-09 ラブリージーニアス
M-10 Anniversary
【ENCORE】
M-11 First Sweet Wave
M-12 カレンダーのコイビト