ピジョンはこのほど、「ベビーカーの操作ストレス」に関する脳波比較実証実験の結果を発表。同実験は2016年12月11日~22日、慶應義塾大学理工学部と共同で行った。

左から、シングルタイヤ製品、ダブルタイヤ製品

実験は、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科准教授・満倉靖恵先生監修のもとで実施。最新の脳波計測技術「感性アナライザ」を用いて、20~30代の女性全16人を対象に、シングルタイヤベビーカー使用時とダブルタイヤベビーカー使用時に、ユーザーの脳波に及ぼす影響を調べた。

「感性アナライザ」とは、満倉准教授と電通サイエンスジャムが共同で開発した装置で、脳波から感性をリアルタイムで把握することができるという。ヘッドセットを付けて簡易的に計測した脳波を解析し、「ストレス」「好き」「興味」「集中」などの感性指標を瞬時に評価できる。データは1秒ごとに計測可能とのこと。

実験では、16人の被験者に感性アナライザを装着。同社ベビーカーのうち、車輪部分が単輪で構成されているシングルタイヤベビーカーと、車輪部分が双輪で構成されているダブルタイヤベビーカーを交互に使用(使用順はランダム、ベビーカーはいずれも背面時で使用)した。その上で、一般的な駅の改札を再現したコース(幅55cm、距離160cm)、タイヤがとられやすいデコボコ道(レンガ道)、芝生上、ゴム製マット上、曲り道での使用時に取得した脳波の動きを検証した。

実験の結果、日常的な使用シーンである駅の改札を通り抜けるシーンを再現した環境下では、シングルタイヤベビーカー使用時の方が、脳波の平均値の「ストレス」値が低いことが分かった。そのほか、公園などの芝生道、デコボコ道、曲り道、ゴム製マット上でも実験を行ったが、いずれも同様の結果が得られたという。

駅の改札を再現したコース走行時の平均ストレス値の比較

芝生道を再現したコース走行時の平均ストレス値の比較

満倉准教授は、「子育てを行う中、さまざまなストレスを感じながら過ごす母親にとって、ベビーカーでのお出かけ時の余計なストレスを取り除くことは、非常に大切だと思います。また、ストレスを大きく感じることなくスムーズに動かせることは、周囲に迷惑をかけたくないという母親の不安解消にもつながると思います」とコメントした。