喜連川温泉と言えば、言わずと知れた栃木県の名湯のひとつ。喜連川城跡を中心にさまざまな温泉施設が点在し、年間を通して多くの観光客が訪れている。その喜連川名物として古くから親しまれているのが「温泉パン」(3個/税込490円~)なる類ないパンだが、今やこの地を訪れたことがない人にもその名を知られているのだ。

元祖 温泉パン(3個/税込490円)

素朴なパンと町おこしの温泉が合体

作っているのは、栃木県さくら市で直営店を運営するパン屋「温泉ぱん」。表記こそ違えど看板メニューと店舗名が全く同じ。どうやら、どこまでも温泉パン推しのようである。

創業は昭和16(1941)年、設立は28年と歴史は長い。そんな老舗パン屋にて「温泉パン」が販売されるようになったのは、今から33年ほど前のことだ。誕生の経緯を店側に尋ねたところ、「職人たちが3時の休憩時間によく焼いたパンを食べていたのですが、素朴な材料でできたそのパンはかめばかむほど味があるもので、これは店頭に出したら売れるのでは? との想いから商品化に踏み切りました」との回答。

そして命名理由はというと、「その当時、町おこしで温泉が湧出したので、記念として名付けたんです」とシンプル極まりないが、瞬く間に認知度が上がり商標登録するまでに至ったという。

左から、くるみ味(3個/税込550円)、抹茶あずき味(3個/税込530円)

おいしさと優しさを追求したパン

人気に火が付いた最たる理由は、なんと言ってもそのおいしさ。原料や製法にこだわり、基本に忠実に手間ひまかけて作られているため、かむほどに口の中に旨みが広がるのだ。

「ファットスプレド厳選した粉のブレンドにこだわり、深みと香りを追求しています」というその味を自宅で堪能したいなら、同社運営のwebショップを利用するのも一手。もちろん、温泉旅行前後に直営店で入手は一番理想的。おいしいパンと日本屈指の名湯とによって、身体を内側と外側の両方から癒やすことができるに違いない。

左から、オレンジ味、アーモンドキャラメル味(それぞれ、3個/税込530円)

店頭ではその他に、トランス脂肪酸フリーのパンなども取り扱っている。バター、マーガリンを一切使用せず、食物繊維を多めに配合したパンとのことなので、ベジタリアンの人にもオススメ。今度の週末にでも、日帰り温泉とセットで楽しんでみてはいかがだろうか?