東武鉄道は27日、新型特急車両500系「リバティ」の車両撮影会を実施した。3両固定編成を8編成、計24両導入する予定で、車体前面は中央貫通方式を採用し、両運転台とも併結可能な構造に。4月21日のダイヤ改正から営業運転を開始する。

東武鉄道の新型特急車両500系「リバティ」が公開された

新型特急車両500系「リバティ」の製作会社は川崎重工。車両デザインの監修は奥山清行氏が代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当した。車体は「シャンパンベージュ」を基本色に、特急列車の格式と沿線の緑豊かな自然をイメージした「フォレストグリーン」、東武グループのロゴカラー「フューチャーブルー」をあしらい、先進的でシンボリックなデザインに。「Revaty(リバティ)」のロゴマークも掲出された。

車内は白を基調に木目調も採用。全席クロスシートで、各座席にコンセントを設置した。腰掛は江戸の伝統色「江戸紫」をモチーフとした配色となり、袖部分には江戸の伝統工芸「印伝」をモチーフとした柄をあしらった。天井は隅田川や鬼怒川の流れをイメージしたやわらかな造形となっている。車内のサービス向上・バリアフリー化も進められ、「TOBU FREE Wi-Fi」に対応するほか、車いすスペースと多機能トイレ(車いす対応およびオストメイト付)を設置し、AEDや医療支援器具も搭載する。

環境負荷の低減を目的に、室内照明や前照灯にLEDを採用して消費電力を低減し、鉄道車両の駆動用主電動機である永久磁石同期電動機(PMSM)を搭載。アルミ製の車体で軽量化も図った。乗り心地を向上させるため、東武鉄道では初となる車体動揺防止制御装置(アクティブサスペンション)を全車両に搭載している。

車両撮影会では「リバティ」2編成による分割・併結シーンも公開された

「リバティ」併結後の貫通路

「リバティ」の車内。各座席にコンセントも設置されている

新型特急車両500系「リバティ」は4月21日、東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線や東武アーバンパークライン(野田線)などで実施するダイヤ改正に合わせて営業運転を開始する。同車両の特徴である併結・分割機能を生かし、浅草~東武日光・会津田島間の特急「リバティけごん」「リバティ会津」を下り4本・上り4本運転。下今市駅で分割・併結を行い、「リバティ会津」は野岩鉄道・会津鉄道へ直通する。

午前の時間帯には、東武日光・新藤原発浅草行の上り特急「リバティけごん14号」「リバティきぬ114号」を運転。夜間には浅草発東武日光・館林行の下り特急「リバティけごん47号」「リバティりょうもう43号」が運転される。他の列車と併結運転を行わない「リバティけごん」も、浅草~新栃木・東武日光間で下り3本・上り2本(うち下り1本・上り1本は土休日のみ運転)設定された。

朝夕の通勤時間帯に新設される特急「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」にも「リバティ」が使用される。浅草~春日部間の特急「スカイツリーライナー」は朝に上り2本、夕方以降に下り5本(うち3本は平日のみ運転)を設定した。特急「アーバンパークライナー」は平日のみ夜間に3本設定。「アーバンパークライナー1号」は浅草発大宮行、「アーバンパークライナー3号」は浅草発大宮・野田市行(春日部駅で分割)、「アーバンパークライナー2号」は大宮発運河行で運転される。