東武鉄道は27日、新型特急車両500系の愛称名・ロゴマーク・運転概要に関する記者発表会を都内で行い、車両愛称名が「Revaty(リバティ)」に決定したことを発表した。新型車両の併結・分割機能を生かし、浅草駅から日光・鬼怒川・会津方面をはじめ、伊勢崎線館林方面や東武アーバンパークライン(野田線)への特急列車も設定される。

東武鉄道の新型特急車両500系の車両愛称名が「Revaty(リバティ)」に決定。ロゴマークも披露された

新型特急車両500系は製作・デザインを川崎重工、デザイン監修を「KEN OKUYAMA DESIGN」(代表・奥山清行氏)が担当。3両固定編成を8編成、計24両を導入する。「さまざまな運行形態で運用可能な速達性と快適性を持った特急列車」をコンセプトに開発され、2017年春のダイヤ改正に合わせて営業運転開始を予定している。

「リバティ会津」浅草~下今市間で「リバティけごん」と併結運転

車両愛称名「Revaty(リバティ)」は、「Variety」(多様性)と「Liberty」(自由)から生まれた造語で、併結・分割機能を生かし、多様な運行形態で利用者のさまざまなニーズに応え、同社路線を縦横無尽に走り回る自由度の高さを表現。「お客さまに長く愛され親しまれる特急車両になってほしい」との思いも込めたという。「Revaty」の頭文字「R」を複数の三角形でデザインしたロゴマークも公開された。

新型特急車両500系「Revaty(リバティ)」の模型が会場に展示された

実物大のシートも展示。江戸の伝統色「江戸紫」をモチーフとした配色で、各座席にコンセントも設置される

新型特急車両500系「Revaty(リバティ)」を使用する列車として、浅草~東武日光間の特急「リバティけごん」、浅草~新藤原間の特急「リバティきぬ」に加え、野岩鉄道・会津鉄道に乗り入れ、浅草~会津田島間で運転される特急「リバティ会津」を新たに設定。浅草~下今市間は「リバティけごん」「リバティきぬ」または「リバティけごん」「リバティ会津」の6両編成で併結運転を行い、下今市駅で車両分割・併結を行う。

夜間の通勤時間帯には、日光線・伊勢崎線沿線への帰宅に便利な特急「リバティけごん」「リバティりょうもう」も設定。浅草~東武動物公園間は6両編成で併結運転を行い、東武動物公園駅で車両を分割して「リバティけごん」は東武日光駅へ、「リバティりょうもう」は館林駅へ、それぞれ3両編成で運転される。

通勤時間帯の着席ニーズに対応した近距離区間特急として、東武アーバンパークライン(野田線)を走る特急「アーバンパークライナー」も登場する。浅草~大宮・野田市間の列車(浅草~春日部間は6両編成、東武アーバンパークライン内は3両編成で運転)と大宮~運河間の列車(3両編成)が設定される。その他、東武スカイツリーライン浅草~春日部間を6両編成で走る特急「スカイツリーライナー」(一部列車はスペーシア車両で運転)も。いずれも乗換え不要で目的地へ行けるシームレスな移動を可能としている。

スペーシア・りょうもう・リバティの併用による運行へ

記者発表会で登壇した東武鉄道取締役鉄道事業本部長の都筑豊氏は、新型特急車両について「多様な運行形態を可能とする併結・分割機能により、今後のダイヤ編成の可能性も格段に広がると考えています。広域な路線網をシームレスに結び、お客様のニーズの変化に合わせたフレキシブルな特急の設定が可能となりました」と説明。車両愛称名「Revaty(リバティ)」の発表に際し、「東武本線全線を走り抜ける特急の愛称として浸透し、お客様に愛される存在となるように努力したい」と述べた。

新型特急車両500系「Revaty(リバティ)」の導入を受け、既存の特急車両に関して「スペーシア・りょうもうなどの車両は今後も継続し、増備されるリバティとの併用による運行を考えています」と都筑氏。新型特急車両を使用する各列車の具体的な運行計画は現在検討中で、運転本数・時刻など詳細が固まり次第、発表するとのことだった。

記者発表会で車両概要・運転概要などが説明された