――本社移転を記念して「テレ東→六本木3丁目移転プロジェクト」を冠し、さまざまな特番を編成されましたが、この成果や収穫はいかがですか?

東京・六本木3丁目の新本社

まずはスペシャルドラマを3週連続で放送しました。今までうちでやってもらっていなかった原作者や出演者の方に参加いただいて、数字的にはズバ抜けて良かったというわけではないんですが、内容面で大きく評価されているので、今後もお付き合いのなかった方々にどんどんアプローチしてオファーをかけ、スペシャルドラマは定期的にやりたいという目論見もあります。

――他のジャンルはいかがでしょうか。

「テレ東、変わるWEEK」と題して、大型特番やコラボ番組を編成しましたが、週平均も良い数字で、一定の評価はできるかなと思っています。特に『YOUは何しに日本へ?』とジャニーズさんのアイドルがコラボした回や、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』もいつもの太川陽介さん&蛭子能収さんから、田中要次さん&羽田圭介さんに変わって、話題を集めることができました。

――本社移転されて、雰囲気はいかがですか?

新本社で良いと思ったのは、建物の中で各セクションがギュッと凝縮されて、フロア内が全部近いんです。神谷町のときは、編成と制作という業務の近い部署が別々のビルに入っていたのですが、同じフロアになりましたので、コミュニケーションが良くなることによって意思の疎通が取れ、番組も良くなっていけばと思いますね。

――来年1月スタートの連続ドラマが出そろいましたが、こちらへの期待はいかがですか?

金曜8時の『三匹のおっさん3~正義の味方、みたび!!~』は、1作目が平均10.6%、2作目が8.7%と、うちの連続ドラマとしては高い数値を取ってきているので、これは本当に期待しています。この「金曜8時のドラマ」は、今年は正直3クール苦労していたので、多大な期待をかけています。金曜24時も、脇役とは言えない方々が集まった『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』、その後は『山田孝之のカンヌ映画祭』、土曜24時は池松壮亮さん主演の『銀と金』と、テレ東らしい一味違う作品を並べられたかなと思っています。

『三匹のおっさん3~正義の味方、みたび!!~』(1月20日スタート、毎週金曜20:00~)
かつて悪ガキだった清一(北大路欣也)、重雄(泉谷しげる)、則夫(志賀廣太郎)の3人が、定年退職後にご近所内の悪を成敗していく人気シリーズ。

『山田孝之のカンヌ映画祭』(1月6日スタート、毎週金曜24:52~)
「映画の賞が欲しい」と映画監督・山下敦弘を呼び出した山田孝之が、映画制作に奔走した記録を伝えるドキュメンタリードラマ。 (C)「山田孝之のカンヌ映画祭」製作委員会

『銀と金』(毎週土曜24:20~)
池松壮亮演じる一文無しの主人公・森田鉄雄が大物フィクサーに出会い、裏社会へ足を踏み入れていく物語。『カイジ』『アカギ』の福本伸行の同名コミックを実写化。

『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』(1月13日スタート、毎週金曜24:12~)
日本映画界を支える名バイプレイヤー6人が、本人役としてシェアハウスで共同生活を送るという設定のドラマ。(写真左から 遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研)

――10月から、タイムシフト(録画)視聴率、総合視聴率の計測が始まりました。傾向はいかがですか?

タイムシフトは、他局さんと同様にドラマとアニメが高いですね。特に『勇者ヨシヒコと導かれし七人』は、リアルタイムの数字を超えてきています。それと『妖怪ウォッチ』も高いですね。

――年末年始特番が始まっていますが、見どころを教えてください。

『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の太川陽介(左)と蛭子能収

いろんな話題を作りたい中で、一番は太川さんと蛭子さんのコンビがファイナルになる『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(1月2日17:55~21:00)ですね。この日は、『箱根駅伝』(日本テレビ系)の裏で過去の再放送もします。そこから続いて21時から『釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助 伊勢志摩で大漁! 初めての出張編』なので、この流れにも期待しています。

元日は、前年『大食い世界一決定戦!』を5時間やったんですけど、今回はその尺を少し短くして(17:30~20:54)、今年1年間で一番成長した番組である『THEカラオケ★バトル』(20:54~23:55)を編成。3日は『池上彰の世界を見に行く』と『和風総本家』でいつも通りですが、3が日の編成を特に強化して、皆さんに楽しんでもらいたいと思います。

大みそかは先ほども言いました『年忘れにっぽんの歌』と、ボクシングの内山高志選手が4月のV12防衛戦でKO負けした相手とリベンジマッチをしますので、裏には格闘技もありますが、話題性は高いと思っています。

――テレ東さんの1月2日といえば「新春時代劇」でしたが、前回で終了ということなのでしょうか?

『釣りバカ日誌』は、昨年連続ドラマで放送しましたが、かつての映画が新春ロードショーだったので、正月らしいタイムテーブルを考えたときに、今回は『釣りバカ日誌』を選んだということです。話題性のある作品があれば、今後も時代劇をやっていくので、「新春時代劇」を終了させるということではないです。

――今後の改編に向け、課題の時間帯を挙げるとすると、どの枠でしょうか?

水曜21時から2時間のミステリードラマは、視聴率がなかなか獲得しづらい環境で、どんどん本数が減ってきているので、このゾーンは今後考えなければいけないところですね。ほかに、金・土・日曜にも課題はありますが、全体的にはずっとご愛顧いただいている番組もあるので、改編でどうこうするということではなく、そこに話題性を乗せていったり、番組内容自体を強くしていったりすることで、全体の底上げを引き続き我慢しながら地道にしっかりやり続け、視聴者の皆さんに評価されるようにしたいと思います。

(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区)