赤ちゃんのインフルエンザ対策で気をつけること

そろそろインフルエンザの流行が始まる季節。幼い子どもがかかると重症化しやすいので、予防対策はしっかりしたいですよね。そこで今回は、赤ちゃんのインフルエンザ予防について広島市立広島市民病院の小児科医、竹中美恵子先生に聞きました。


Q.インフルエンザの予防接種は何歳から受けられるのでしょうか?

予防接種は1歳から推奨されていますが、インフルエンザの感染が心配なとき、また家族に医療関係、学校関係のお仕事の方がいらっしゃる場合などはリスクが高いので、生後半年から接種することが可能です。しかし、離乳食の始まる前のこの時期は、アレルギーの有る無しがはっきりとは分かっていないので、卵アレルギーであった場合、接種は慎重にしなければいけません。

Q.それはなぜですか?

ワクチンに鶏卵の成分が含まれているからです。アナフィラキシーショックを起こしてしまう可能性があります。まず、家族や血縁関係のある方にアレルギー疾患の人がいないかどうか、また、赤ちゃん自身が生後から、湿疹などアレルギー反応を起こしている可能性がないかを事前に知っておく必要があります。分からない場合は、アレルギー検査をすることもできますので、小児科医の先生に尋ねられると良いですね。

Q.卵アレルギーを持っている場合には、絶対に接種することができないのでしょうか?

卵アレルギーの症状が軽い場合は、接種できる可能性もあります。私の子どもも卵アレルギーがありながら、1歳の時にインフルエンザの予防接種を受けたのですが、アナフィラキシーショックが出ないかどうか確認しながら、少量ずつ接種していきました。お子さんのケースによって対応はさまざまですので、一度病院で相談してみてください。

Q.予防接種を受ける時期はいつがいいですか?

流行に入る前の11月中に受けておくことをお勧めします。13歳未満では2回接種が推奨されていて、1回目の接種のあと、できれば4週間をあけて2回目の接種をしましょう。2回接種することによって、1回だけ接種したときの10倍以上の効果があります。

予防接種から2週間後には効果が現れ、約5カ月はその効果が続くので、流行期を乗り切ることができるでしょう。

Q.他にできる予防法はありますか?

とにかく、赤ちゃんと一緒に、人が多く集まるような場所にはいかないことです。また家族をはじめとする周囲の人が感染源とならないよう、手洗いうがい、マスクの着用を徹底しましょう。

※写真と本文は関係ありません

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。以後、広島市立広島市民病院小児科などで勤務し、現在に至る。1児の母でもある。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている