少額のお買い物でもお財布から小銭を探さずカード1枚で支払いができて便利なのが電子マネー。でもカードごとに使えるお店が限られているので、何枚もカードを作ってみたけど結局使いこなせていないという人も案外多いのでは? どんなカードをどのように使ったらいいのか考えてみましょう。

ライフスタイル別電子マネー比較(※画像はイメージ)

どんな種類があってどんなことができるの?

iDを始め、Suica、PASMO、楽天Edy、nanaco、WAONなど、いまや電子マネーはたくさんの種類があります。これらの電子マネーはすべて同じ仕組みではなく、大きく分けると、後でまとめて支払う形のものと、あらかじめお金をチャージしておき、その範囲で利用可能なプリペイド型のカードがあります。

現金払いの代わりに便利に使いたいと思っているなら、使いすぎも防げるプリペイド型のカードがおすすめです。

電子マネーは支払いの便利さ以外にも、使えば使うほどポイントがたまるというメリットもあるのが特徴です。お買い物200円ごとに1ポイントなどがつき、貯まったポイントは電子マネーとして利用可能。

また、クレジットカードとひも付けすることで、残高が一定額以下になったときに、クレジットカードから自動的にお金をチャージしてくれる「オートチャージ機能」のついたカードもあります。オートチャージをするたびにポイントが貯まる仕組みもあり、ポイントがより多く獲得できることになります。これは現金で支払うよりも1~2%おトクに買い物ができるということです。

ポイント還元率やオートチャージ時にポイントが付くかどうかは、電子マネーによって異なるので、あらかじめ確認してから利用するといいでしょう。

ライフスタイル別 持ってておトクな電子マネーはこれ!

では、どんな電子マネーがおトクなのか、具体的にみていきます。

まず、ふだん電車を使っている人の第一候補は、SuicaPASMOといった鉄道系電子マネーです。これは切符を買う際に現金で購入するよりも安く買えるのが特徴です。消費税が8%になった際に、現金購入は端数を10円単位で切り上げましたが、電子マネーは1円単位で運賃を設定しているからです。また、電車に乗るたびに券売機の前で行き先と運賃をチェックして切符を買うという面倒なことをしなくて済むのも大きなメリットです。頻繁に電車を利用する人は持っていて損のない1枚です。電車やバスの運賃支払いだけでなく、複数のコンビニチェーンが利用できるほか駅のコインロッカーなどでも便利に使えるのが特徴です。

買い物メインに使いたいと考えているなら、WAONnanacoなどスーパーで利用できる電子マネーに注目。利用できるお店が系列のお店など限られてしまいますが、ポイント還元率が交通系よりも高いのが特徴です。いつも買い物する場所が決まっているという主婦の方などにはおすすめです。楽天Edyも複数のコンビニやスーパーなど利用できる店舗が幅広いので買い物メインの人におすすめの1枚です。

いろんなところでカード1枚で支払いたいという人は、au WALLETに注目。これはauの契約者向け電子マネーですが、マスターカードが使えるお店ならどこでも利用できるのでかなり使い勝手のいい電子マネーです。クレジットカードでは使いすぎてしまうので、生活費は予算を決めて使いたい、でも便利に少しでもおトクに支払いたいという人に向いている1枚です。

電子マネーはどんな使い方をすればいい?

電子マネーは便利なものの、すべてを1枚で済ませるというわけには行かないのが現状です。複数の電子マネーカードを使えばほぼキャッシュレスにすることも可能ですが、枚数が増えると管理も煩雑になってしまいます。よく使うものを厳選して多くても2~3枚に絞って現金払いと併用していくのが現実的な使い方といえるでしょう。

なるべく現金を持ちたくないという人は、ふだんの買い物傾向をしっかりと分析して、どこのお店を使う頻度が高いのかしっかり把握してからメインのカードを選ぶことが大事です。また、お金のチャージ方法は、クレジットカードからのオートチャージが手間がかからず便利ですが、自動的にチャージされることで使った額を把握しづらいので、できれば自分で毎月金額を決めてチャージし、その範囲で利用するようにした方が、家計管理の観点からはおすすめです。

さらに、上手に利用すれば、例えば毎月現金で払っていた10万円分を電子マネーで支払うことで、仮に1%のポイントが付くなら年間1万2000円もおトクになります。無理せず少しずつ使いながら自分にとって便利に使える電子マネーを見つけていくといいでしょう。

※画像は本文とは関係ありません。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。