京阪電気鉄道は16日、京阪電車寝屋川車両基地にて「ファミリーレールフェア 2016」を開催した。今年のイベントでは、2017年度上期に導入予定の座席指定特急車両「プレミアムカー」の試作モデルが展示された。

京阪電車寝屋川車両基地で「ファミリーレールフェア 2016」が開催され、「プレミアムカー」試作モデルが展示された。6代目おけいはん「出町柳けい子」さんもイベントに登場

「プレミアムカー」は特急などで活躍中の8000系8両編成のうち1両を改造。「ちょっとしたぜいたく感」を味わってもらうべく、車内にオリジナルのリクライニングシート(1列+2列、一部2列)を導入する。外観は京阪特急伝統の赤をベースに、特別列車としてのステータスを高めるため、窓下と扉に金色を採用した。「プレミアムカー」は日本の鉄道では珍しく1扉となり、落ち着いた空間で通勤や観光を楽しめるように工夫されている。

「ファミリーレールフェア 2016」では「プレミアムカー」試作モデルの外観を公開。外装は華やかな赤色と金色の組み合わせで、伝統と進化を両立させた新たな京阪特急を印象づけている。京阪特急伝統の鳩マークと「プレムアムカー」のグレードを表す三つ星を組み合わせたエンブレムが扉にデザインされた。大型のリクライニングシートが設置され、ゆったりとしたパーソナル空間を演出するための大型ヘッドレストも特徴。大型テーブルとコンセントも各座席に取り付けられ、現代のニーズにも対応した。全体的に高級感漂う仕様となり、京阪特急の魅力がさらに増すことは間違いないだろう。

会場に展示された「プレミアムカー」試作モデル

「プレミアムカー」試作モデルの横で、京阪電車のイメージキャラクターである6代目おけいはん「出町柳けい子」さんのトークショーも行われた。この中で「出町柳けい子」さんは、「プレミアムカー」の座り心地について「ふわふわ」と表現。多くの観覧者が「出町柳けい子」さんと「プレミアムカー」に注目していた。トークショーの後、「プレミアムカー」試作モデルと「出町柳けい子」さんの撮影会も行われた。

なお、「プレミアムカー」への改造にともない、8000系の一部が現在、7両編成となって運転されている。料金設定や予約方法などについては検討中だという。

京阪電車寝屋川車両基地に静態保存されている「びわこ号」車両も展示。車内も見学できた

「びわこ号」の車内。電灯や貫通路のデザインも特徴的

今年のイベントでは、「プレミアムカー」試作モデルの展示以外にもさまざまな催しや展示が行われた。その中でも人気だったのが、戦前から昭和40年代にかけて活躍した60型電車「びわこ号」の展示。「びわこ号」は1934(昭和9)年、大阪市内の天満橋駅から滋賀県の浜大津駅までを結ぶ直通特急の専用車両として製造された。日本で最初の連接車としても有名で、モダンな電灯や貫通路のデザインから、往時の活躍が垣間見られる。車内では多くの来場者が座席に座ったり、車内撮影を行ったりしていた。

10月30日まで交野線(枚方市~私市間)を中心に運行される10000系「星のまち 枚方・交野 キキ&ララトレイン」も展示された。枚方市と交野市の産業振興キャラクター「ひこぼしくん」「おりひめちゃん」とサンリオキャラクター「リトルツインスターズ(キキ&ララ)」を車内外にデザインしている。車内の化粧板の一部にキャラクターが描かれ、吊り革の一部も星型に。キキ&ララトレインの運行予定は特設サイトでも紹介されている。

10000系「星のまち 枚方・交野 キキ&ララトレイン」も展示

車体の吊上げ実演や現役車両の展示も

「ファミリーレールフェア 2016」の開催当日は天候にも恵まれ、多くの親子連れが訪れた。さまざまな催しや展示を通じ、京阪電車の魅力を再確認していた様子だった。