福岡に行ったら、いろんなタイプのラーメンを食べ比べしてみたい! そんな願いをかなえてくれるのが、1つの丼で福岡の2大ラーメン店の味を提供してくれる「赤のれん&とん吉」だ。

食べ比べができるのは、博多ラーメンのルーツの1つと言われる老舗「赤のれん」と、福岡の長浜鮮魚市場付近に並ぶ屋台がルーツの長浜ラーメン人気店「とん吉」。博多ラーメンと長浜ラーメンが一度に味わえるファン垂ぜんの店である。しかもラーメンを注文するとおかずが食べ放題だ!

特注の丼で2大ラーメンが競演! さて替え玉はどっちにする??

「食べ比べラーメン」(800円)と食べ放題の惣菜&ご飯! ※ご飯の食べ放題は+100円で14時までの限定

店に入りメニューを見ると、"「ラーメン」(並: 600円)は「赤のれん(こってり)」と「とん吉(あっさり)」からお選びください"と書かれている。そしてお目当ての「食べ比べラーメン」(800円)を注文すると、オリジナルの器に、2種類のラーメンが盛り付けられていた。

早速実食! まず、赤のれんのラーメンを食べてみると、こってりとした豚骨スープに、細平打ち麺がしっかりとからまっている。背脂とスープが絶妙に混ざり合ったクリーミーさが、ヤミツキになる味わいだ。一方、とん吉のラーメンはスープも麺も全く違う。キクラゲとチャーシューがトッピングされ、シコシコ細麺を、あっさり味の豚骨スープでさらりといただくことができる。両方のおいしさが際立ったハイブリッドな1杯、それぞれにイイ!

「ラーメンはすぐのびるので、まずはあっさり味のとん吉から食べ、そのあとどちらか好きな味を最初に完食するのがオススメです」と語るのは、店主の石丸保さん。食べ比べラーメンは、並ラーメンと同じ量で、替え玉は半玉(60円)でやってくる。う~ん、どっちも替え玉したい!

「赤のれん&とん吉」はコラボなのか? オリジナルなのか??

真摯にラーメンを作る石丸保さん。「国産の安心できる素材でスープを作り続けています」。同業者が食事にくることも多いという

いったいどうして1つの店で2大のれんの味が食べられるのだろうか。石丸さんによれば、その背景には、約40年前に開店したものの、赤字続きだった同店の生き残りをかけた戦いがあった。

「当時の社長が知り合いの『とん吉』の大将に相談し、のれん分けをしてもらったそうです。しかしその後も経営が厳しく、博多ラーメンの代名詞となっていた『元祖・赤のれん』の職人さんに頼み込み、必死に店を立て直してもらったことが始まりです」。

背脂とスープが絶妙に混ざり合ったクリーミーな豚骨スープ

このような経緯があり、現在は「赤のれん&とん吉」という新たなのれんを掲げ、石丸さんがそののれんを大切に守っている。職人さんと約10年間一緒に働き、スープ作りで大切な骨の状態や火加減など、ラーメン作りの手ほどきを受けた石丸さん。しかし何よりも大切なのは作る人の気持ちで、「気持ちが味を決めるんです」と断言する。

おかず食べ放題!! 14時まではプラス100円でご飯・炒飯もお代わりし放題!!

食べ放題の惣菜と生キャベツ、漬物。取材日の惣菜はメンチカツとししゃもフライの2種類

さらにこの店の魅力は、ラーメンだけじゃない。ラーメンを注文すると、メンチカツやハンバーグといった日替わりおかず、辛子高菜(たかな)などの漬物、生キャベツが食べ放題になるのだ。夜はファミリー層が多いため、ミートボールなど子どもが好きなおかずが並ぶこともあるという。14時まではプラス100円で白ご飯と、ギョーザのあんで作る特製ギョーザ炒飯が食べ放題になるサービスも見逃せない。

11時~14時はプラス100円でご飯とギョーザ炒飯も食べ放題

「みんな生活に困っているし、うちはお客さまに来てもらわないと困ります。うちに来たらおなかいっぱいになって帰ってほしい。精いっぱいのサービスです」と石丸さん。ラーメンもおかずも炒飯も、どれもこれもいっぱい食べたくなる同店。ぜひおなかをすかせて駆けつけてほしい。

「赤のれん&とん吉」

アクセス: 福岡市地下鉄箱崎線「箱崎九大前駅」から徒歩1分

※記事中の情報・価格は2016年9月取材時のもの。価格は税込