国交省は10月11日、ANAに対して9月30日に福岡空港で発生した搭乗手続未了旅客の搭乗及び定員超過状態での運航開始について、「航空保安及び運航の安全上極めて遺憾であり、厳重に注意する」とし、原因究明と再発防止策の検討・提出をANAに指示している。

ANAは9月30日、ANA256便(福岡発羽田行)において、福岡空港における搭乗手続未了の旅客を保安検査場で搭乗手続未了のまま保安検査を受けさせ、搭乗口でも搭乗手続未了のまま搭乗させた。その結果、同便は定員超過の状態となったがそのまま運航を開始し、駐機場を離れた後、けん引車による移動中の機内で定員超過が判明したため、そのまま駐機場に引き返した。

国交省は8月5日に新千歳空港で発生した保安検査すり抜け事案を踏まえ、搭乗手続未了の旅客の搭乗を防ぐ再発防止を指示している。その中で類似の事案を発生したことを加え、定員超過で運航を開始させたことに対し厳重注意を行い、原因究明と再発防止策を至急検討の上、10月25日までに文書での提出をANAに指示している。

・保安検査場に おける搭乗手続確認手順及び体制の見直し並びにこれらの確実な徹底策の策定
・搭乗口における搭乗手続確認手順の見直し及びその確実な徹底策の策定
・搭乗旅客及びその数の確実な把握方法の構築

同件に対しANAは、「今後、原因の分析に基づいた再発防止策を策定の上、速やかな対応を実施し、信頼回復に向けて全社をあげて取り組んでまいります。お客さまをはじめ関係者の皆さまに、多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます」とコメントしている。なお、同件に関して同日の他の便での遅延・欠航などの影響は発生していない。