通帳は1冊に絞る

――次に「通帳の整え方」をお聞きしても良いですか?

6年前の私は、通帳を8冊持っていて、クレジットカードとのひも付けがバラバラ、休眠口座もたくさんあるといった状態でした。そこで、通帳を1冊に絞り、光熱費や通信費などすべてを集約しました。これによって家計簿みたいに、記帳するだけで使っているお金を把握できるようになりました。給料日を25日とすると、翌月24日に残金がいくら貯まって、残ったのかがわかるので、予算内でやりくりできたかが一目瞭然なんです。皆さんは、まずは自分の使っている通帳を手元に全部出してみるのが良いと思います。

――なるほど……! 通帳が家計簿代わりに。

そうですね。例えば、クレジットカードの入金遅れもなくなりますし。わりと給料が入ったら、A、B、C……と分けなきゃと思うことや、貯金もDに入金しなくちゃと思っていても結局送金せずに終わるということも多いので。

1冊の通帳にすると決めたら「総合口座」にしましょう。「普通預金口座」「定期預金口座」「貯蓄預金口座」の3つが一緒になっているので、この一冊に絞ると良いと思います。

貯金をするのであれば、自動積み立てが一番です。「定期預金口座」には、貯蓄金額を決めて、自動積み立てをします。残りのお金のうち、家賃や光熱費などを引いた金額をお財布の中に入れます。これに手帳を組み合わせると、支出目安として、毎週日曜日に財布の残金を書き出します。そして1カ月分の支出を週ごとに確認して、自分なりに調整します。

手帳と組み合わせて整える

――手帳で「お金を整える」ワザはありますか?

週ごとに、予定と金額をセットで書き込むことです。例えば、スーパーに行く日は月曜日、洋服を買う日は木曜日というふうに書きます。実際に買い物する日の予定に、仮に予算を3,000円と書いておいた場合、お店でみるときに欲しい物が5,000円であっても頭の中で「3,000円以内におさえよう」という意識が働きます。買い物した後は、予算3,000円と書いた日の部分に、実際の支出が2,500円だったとすると、-500円と書き足します。

加えて、「財布を開かなかった日」には印をつける。買い物に行ったらお金を使ってしまうので、一週間に3日間は断金生活が理想です。例えば、一駅歩いて節約したり、カフェに寄らないようにしたり……、自分との約束を守る日をつくるんです。

――たしかに、ルールを決めるとお金を管理しやすいですね

そうです。自分とのルールです。以前の私はお金を使うことに対してさほど意識をしていませんでしたが、ルールを決めて守ることによって、お金に対する不安が消え去ったんです。その結果「お金を整える」ことで、財布一つで金額を把握できるようになり、持っているお金をみるたびに無駄遣いがなくなり、お金が貯まるようになりました。その3つが変化でしたね!

――本日はありがとうございました