お金の使い方は人それぞれ。同様に、お金の管理の仕方も人それぞれだ。財布や通帳には使い方のルールがないので、どういうふうに管理すれば良いのかと迷ってしまう人も多いのではないだろうか。そこで今回はマネーコンサルタントとして3,500人以上の女性をサポートしてきたという、マザーミー 代表取締役の市居愛さんに、著書『お金を整える』の中で紹介している、財布や通帳から始められる「お金の整え方」について聞いてみた。

マザーミー 代表取締役 市居愛さん

――本のタイトルにもなっている「お金を整える」ってどういう意味ですか?

お金には「通り道」があります。お金って入って出ていって……ということが繰り返されているものですよね。お金が流れるときには通る道があって、それがお財布や通帳です。そのほか、冷蔵庫も食費が通る道ということになります。

この「通り道」に着目して、ごちゃごちゃに散らかっているものをシンプルにすることによって、「お金を整える」ということです。

――そういった「お金の整え方」を考案された背景は何だったのでしょうか

以前は、私自身もお金の管理が苦手なタイプでした。家計簿をつけるのも全然続かないし、お金を節約するために思いつきで何か始めても、結局どれも成功せずに終わっている状態。

6年前に自分自身が体調を崩して、夫の会社も倒産してしまい、初めて「まずい、お金を何とかしなくちゃ」と思ったんです。それがきっかけとなって、「お金がない」と言葉では言っていたけれども、何か原因があるのではないかと思い始めました。

――では、ここからは実践的な方法についてお伺いしたいと思います。まずは「財布の整え方」を教えてください

当時、自分の財布の中身をよく見てみたら、ぐちゃぐちゃでレシートとお札がミルフィーユみたいになっていて(笑)。カードもパンパンで、財布の中身にすごく無頓着だったんです。これでは、そもそもお金がどのくらい入っているのかわからないし、いくら使っているのかもよく分からない。まずはここからだと思い、財布をきれいにすることから徹底しました。

お札の並べ方は、一万円札を手前、五千円札、千円札という順番に並べてみました。そうしたことで、財布を開いたときに、手前に一万円札が見えるので「ちゃんとお金がある!」と認識できるようになったんです。

なおかつ、当時の私は財布からお金がなくなるたびにコンビニのATMで1万円を下ろしていたんです。財布をきれいにし始めてからは、一気に月に使うお金を下ろして、その全額をお財布の中に入れるようにしました。月に使うお金を5~6万円と設定したところ、予算内でやりくりしようという意識が生まれ、管理がすごくシンプルになり、お金が貯まりやすくなりました。