カゴメはこのほど、食前に野菜ジュースを飲む「野菜ジュースファースト」による食後血糖値の上昇抑制効果は、食前に野菜を食べる「ベジタブルファースト」と同等であることを、ヒト試験で明らかにした。

各群の血糖値(平均値)の推移

野菜には、血糖値の上昇を抑える食物繊維などの成分が含まれている。これまでに行われた試験でも、食前に野菜や野菜ジュースを摂取すると、食後の血糖値上昇が穏やかになることが明らかになっていた。

今回は、野菜サラダまたは野菜ジュースを食前に摂取した場合の食後血糖値の上昇抑制効果の違いや、それぞれの効果的な摂取タイミングについて明らかにすることを目的に実験を行った。

まず、25歳以上50歳未満の健常成人男女24名に「白米摂取の10分前または30分前に野菜サラダ」「白米摂取の10分前または30分前に野菜ジュース」「白米摂取の30分前に水(コントロール)」の条件でそれぞれ摂取してもらい、食後血糖値の変化を調べた。全体の糖質量は50gになるように統一したという。

その結果、白米摂取前に野菜サラダまたは野菜ジュースを摂取すると、共に食後血糖値の上昇が抑えられることがわかった。野菜サラダを食べた場合と野菜ジュースを飲んだ場合では、血糖値の推移は異なるという結果が出ているが、それぞれの食品による血糖値上昇抑制のメカニズムの違いによるものと考えられるという。

また、食事開始時からの血糖値の最大変化量は、野菜サラダまたは野菜ジュースを食事の30分前に摂取した場合に、白米と水を摂取した場合よりも有意に低い値となった。血糖上昇曲線下面積は、野菜ジュースを食事の30分前に摂取した場合のみ、白米と水を摂取した場合よりも有意に低い値となった。

各群の血糖値最大変化量

これらの結果より、野菜サラダや野菜ジュースは、食事の10分前より30分前に摂取すると、食後血糖値の上昇抑制効果が高いことがわかった。特に食事の30分前に野菜ジュースを飲んだ場合に、最も効果が高いことが示された。

今回の研究結果で、野菜ジュースは、野菜サラダよりも手軽かつ野菜サラダと同じくらい効果的に、食後血糖値の上昇を抑制する食品であることがわかった。ただし、野菜ジュースの効果だけに期待して、野菜ジュースを飲み過ぎないように注意が必要とのこと。食事全体のカロリーなどにも気をつけて、バランスの良い食事を心がけることが大切としている。