ステーキ店レベルの牛肉も手配完了!

ウマミバーガーがパテに使用するのは、「ハイエンドで、ステーキハウスで(出されて)も不思議ではないような」米国産ブランド牛だ。複数の部位をブロックで仕入れ、店舗でミンチにする。メディロス氏が「軽く感じた」と表現したようなフワッとした食感は、上質な肉を店舗で挽くことで生まれるのかもしれない。

パテに使う牛肉のなかには、人気が高く、ほとんどが米国内で消費されてしまう部位も存在する。日本での出店で気になるのは仕入れ面だが、メディロス氏は「(食材のなかで)日本に合うもの、合わないものは考えるが、(パテに使う牛肉の輸入も含めて)ベースとなるものは全て手配できた」と自信を示した。ハンバーガーの肝となるパテを再現する体制は整ったとみてよいだろう。

日本でウマミバーガーの美味しさを再現するには、調理スタッフの確保も重要な要素となる。メディロス氏は日本からシェフを米国のウマミバーガーに派遣し、2カ月半に及ぶトレーニングを受けさせる方針だ。この期間中、米国ではウマミバーガーのシカゴ店がオープンするが、派遣するシェフには同店の開業にも立ち合わせて経験を積ませるという。同氏によると、これだけの期間をシェフの訓練に充てるのは、外資系レストランの日本進出案件であっても異例とのことだ。

日本の“肉市場”を取り込めるか

ウマミバーガーの味に惚れ込み、この味を日本に広める準備に余念のないメディロス氏だが、外資系バーガーショップの上陸が相次ぎ、「ハンバーガー戦争」とでも表現したいような状況にある日本市場で勝負することについてはどのような考えを抱いているのだろうか。「グルメバーガーブームはチャンス」と語る同氏は、既存バーガーチェーンや新興グルメバーガー勢は競合相手だと認めつつ、勝負を仕掛けるのはもっと広い市場だという認識を示した。競い合う相手は“肉”にこだわる全てのレストランだ。

ウマミバーガーではクラフトビールやカクテルなどのアルコールも提供しているが、肉の美味しさもあってか、米国ではワインを飲みながらハンバーガーを食べる客も多いという(画像はオークランド店。奥にバーカウンターが見える)

創業者のフライシュマン氏がウマミバーガーを開店したのはリーマンショック後のロサンゼルス。不況のなかで、ウマミバーガーは高級ステーキハウスの代替としても顧客を惹きつけた。つまり、ウマミバーガーは開店当初から、肉にこだわるステーキハウスとの競合を経て発展してきたバーガーショップなのだ。“旨み”を前面に打ち出すビーフパテは、美味しい肉を求める日本人のニーズにも響く可能性がある。