不動産・住宅情報サイト「HOME'S(ホームズ)」を運営するネクストはこのほど、「事故物件実態調査」の結果を発表した。同調査は6月6日~8日、事前調査で「現在事故物件に住んでいる」もしくは「事故物件に住んだことがある」と回答した20代から50代までの男女458人を対象に行われた。

調査対象者が体験した「おかしなこと」ランキング(複数回答)

異常現象は「ラップ音」が1位

調査対象者に、事故物件に住んでいる間何かおかしなことはなかったか尋ねたところ、半数以上(54.4%)の人が「あった」と回答した。最も多かったのは「誰もいないのに物音がした(ラップ音)」(13.8%)で、2位は「誰かがいる気配があった」(13.5%)、3位は「体調が悪くなった」(11.6%)となった。

4位から5位には「悪夢を見るようになった」(10.3%)、「金縛りにあった」「体が重くなった」(同率9.6%)と心身の不調を訴える回答がランクインしたが、7位には「実際に見知らぬ人物を見かけた(幽霊など)」(8.7%)と直接的な体験が入った。

具体的な体験談も

対象者が体験した具体的な出来事としては、下記のように抜粋されている。

■ラップ音など
・「2階建てでしたが、1階に居るときに2階で足音のような物音がするのは、しょっちゅうでした。2階に居るときは1階に人の気配を感じたりすることがありました」(持ち家一戸建て/33歳女性)

・「音がかたんかたんと夜遅く響き外階段なども風の音などや扉のばたんばたん閉める音がしょっちゅうする」(賃貸マンション/38歳男性)

・「触れてもいないオルゴールがなる」(賃貸一戸建て/25歳女性)

・「自分以外に誰もいないのに、部屋の片隅から物音がする」(賃貸アパート/35歳男性)

■何かを見た
・「就寝中に金縛りに遭い足元に白装束の亡霊を見た。前後してキッチンであるとき突然に全身の力が抜け気を失って倒れた事があった。それで心配になり病院で検査を受けたが異常はなかった」(賃貸アパート/59歳男性)

・「夜、寝て起きたら人が後ろ向きに座っていた。怖いので再び寝ようと思ったがもう一度よく確認しようと見たら、確かに人でまだそこにいた。振り向かれると怖いのでそのまま寝た」(持ち家マンション/男性32歳)

・「鏡に人の顔が映る」(賃貸アパート/39歳男性)

・「ベランダから黒い影が落ちるのを何度もみた」(賃貸アパート/29歳女性)

■金縛りにあった
・「金縛りで全く体が動かすことができず、重みが全体にのしかかりまるで、城の石垣に埋もれた感じだった」(賃貸一戸建て/29歳男性)

・「金縛りにあった。座敷童子(日本人形?)のようなものを見た」(その他/29歳男性)

・「深夜二時頃、ベッドで寝ていた時に金縛りになった。目だけは動いたので開けると隣で寝ている彼氏に馬乗りになった人がいた。姿形は黒く目はこちらをにらんでいた。お経を何度も唱えるとしばらくしてその人が消えて金縛りにもとけた。彼氏も同じ状態だったと言っていた」(賃貸アパート/49歳女性)

塩を活用する人が多数

こうした出来事を受け、対象者が実際に「事故物件で行った対策」を聞いてみると、1位「部屋や玄関先に塩をまいた」(23.6%)、2位「部屋や玄関先に塩を置いた」(19.4%)、3位「部屋に入る前に塩を振った」(18.1%)と、トップ3に「塩」を活用した方法がランクインした。後には、「お線香をたいた」(15.3%)、「清めのお酒をまいた」(12.7%)が続いた。

対象者が「事故物件で行った対策」(複数回答)

対策を年代別に見たところ、20代は塩による解決を好む傾向にあることがわかった。また、若年層ほどさまざまな解決策を試している様子もうかがえ、逆に40代や50代になると「特に何もしなかった」という人が増える結果となった。

40代や50代になると、「特に何もしなかった」という人が増える(複数回答)

"あえて"事故物件に住む人も

調査対象者が事故物件に住むことになったきっかけとしては、「条件が良いため、あえて事故物件を探していた」(25.1%)が1位で、2位は「安いため、あえて事故物件を探していた」(24.5%)、3位は「興味があったため、あえて事故物件を探していた」(19.9%)と、事故物件を"あえて探す"という人が多いことが明らかになった。一方、「普通に探したところが実は事故物件だった」という人も28.8%存在した。

"あえて探していた"という人がトップ3を占めた(複数回答)

事故物件であることを知らされたタイミングとしては、「不動産会社から教えてもらい、住む前から知っていた」という人が半数以上の52.4%となり、「不動産会社は教えてくれなかったが、住む前から知っていた」という人が20.3%、「住んだ後で事故物件であることを知った」という人が27.3%だった。

なお、事故物件であることの告知について、ネクストは「不動産会社には入居者への告知義務がありますが、時間の経過や人の入れ替わりとともに、告知されなくなるケースもあるようです。事故があった後の最初の入居者を除けば、責任を問うことが難しく不動産会社の判断に委ねられます」としている。

事故物件は得なのか?

事故物件の賃料を対象者に尋ねると、平均で約5.3万円という結果となった。10万円以上というケースは1割未満となり、事故物件では少数派と見られている。持ち家の購入の場合は、最も多い回答が「3,000万円以上4,000万円未満」(25.3%)で、平均は2,857万円だった。

事故物件の賃料

次に、相場に対してどれくらい安くなっているかを尋ねると、7割以上の人が「相場よりも安かった」と回答した。そのうち、半額以上安くなった人は4割強(41.7%)で、平均すると3.55割安くなる、という結果となった。

物件のタイプ別に相場からの割引率を見ると、賃貸アパートでは平均3.88割、賃貸一戸建てでは3.84割と全体に比べて安い傾向が見られた。一方、持ち家一戸建ては3.26割とやや低めになっている。

事故物件が相場に対してどれくらい安くなったか

物件のタイプ別に見ると、賃貸がやや安め?

また、半額以上安くなった人を見ると、賃貸アパートでは50.7%、賃貸一戸建てでは48.4%の人が該当した。これらの結果から、ネクストは「比較的激安物件を見つけやすいのは賃貸アパートもしくは賃貸一戸建てと言えそうです」としている。なお、持ち家一戸建てでは「まったく安くならなかった」という人も約3割(30.5%)見られた。

以上の調査の詳細は、「HOME'S」にて発表されている。